コラム

頭痛と浮腫みと生理痛

コラム

22歳の女性Yさんが、雨の日の頭痛や

普段から下肢の浮腫み、そして生理痛

や冷え性がお困りで相談に来られました。

Yさんは、身長163cm・体重53kgで仕事は

デスクワークです。

Yさんのように、いくつかの病症が存在

しているケースが多く見られます。

では漢方ではどのように考えて治療して

行くのかを見ていきましょう。

Yさんの病症は三つあります。

頭痛、浮腫み、生理痛です。

これらを同時に治療できる場合とできない

場合があります。

少し専門的な言い回しになりますが、

複数の病態が同一方向性の場合は、一括で

治療できる。しかし、複数の病態が同一方向性

でない場合は、段階を踏んでの治療になる。

漢方ではこのような原則があります。

もう少し分かりやすい例えで説明しましょう。

東京駅にいたとします、携帯電話が鳴って

名古屋と大阪に用事ができたとします。

同一方向ですので一日で用を足す事ができます。

ところが同じように東京駅にいたとします、

携帯電話が鳴って名古屋と仙台に用事が

できたとします。この場合は同一方向では

ないため一括で処理することはできません。

東京駅から名古屋に行って用事をすませて、

一度東京駅に戻ってから仙台に行かなくては

なりません。段階を踏んだのです。

 

ではYさんの場合はどうなのでしょうか。

まず一番困る事は、天気が崩れる前になると

頭が痛くなる事です。

これは気象病に伴う片頭痛です。

徐々に痛み止めを使う頻度が増えてきました。

痛み止めの使用が増えると胃が荒れてきます。

そこで気象病に伴う片頭痛を治療の第一目標

にしました。それと浮腫みの病症は同一方向性

の可能性があります。

但し生理痛は同一方向ではありません。

そこで気象病に伴う片頭痛と浮腫みの治療から

始める事にしました。

まず天気が崩れる時ですから、気圧が下がり

湿度が上がってきます。漢方では、気の流れに

異常が起こったと捉えます。そして、体内の

70%を占める水が偏在を起こし、脳の中が

浮腫んだ状態になり、頭痛が発症したと考えます。

漢方としての治療は、まず気の流れの異常を

是正するために、桂枝甘草湯を用います。

水の偏在を改善して脳内の浮腫みを解消する

には、蒼朮・茯苓・沢瀉が必要になります。

これらを合わせた処方が茯苓沢瀉湯になります。

Yさんは根気よく毎日漢方薬を煎じて服用しました。

服用してから一か月半後には頭痛と浮腫みの頻度や

程度も半減しました。三ヶ月服用した頃は、頭痛は

ほぼ起こらなくなりました。

しかし、浮腫みは半減したもののそれ以上は軽減

しません。

 

そこで、下肢の浮腫みと生理痛にポイントを

絞って治療を試みます。

まずYさんの生理ですが、

痛み 強い バッファリン2錠/日

周期は28日で順調

期間は1-2日はしっかりあり・・・5日で終了

経血量 多い~中程度

経血有塊   中程度

Yさんは冷え性で浮腫みやすく、生理痛があります。

但しまだ未婚でもあり出産の経験もなく、

年齢も若いので瘀血の所見もありません。

そこで冷えて浮腫みやすい所に注目をしますと、

特に下肢の筋肉を温め、筋ポンプの働きを

良くしながら浮腫みの原因である水の偏在を

解消して行く方向で処方を考えました。

筋肉を温めるのに、当帰・芍薬・川芎。

水の偏在を解消するのに、蒼朮・茯苓・沢瀉。

この二つを合わせますと、当帰芍薬散になります。

そこに生理痛について対応できるようにします。

Yさんの生理痛については、先ほども述べましたが、

出産経験もなく年齢も若いので、漢方的にみて

瘀血などの関与は少ないと考えられます。

単純に子宮の収縮による痛みと考えて良いと

思います。対応する処方は芍薬甘草湯になります。

そこで当帰芍薬散に芍薬甘草湯を組み込み

ますと、当帰芍薬散+甘草になります。

ここでのポイントは芍薬甘草湯の方意を

明確にするため、芍薬6g甘草2gの量が

必要になります。

このような配合の漢方薬を服用して、

生理痛の最も痛い時を10とすると、

二か月ほど服用したときの生理時の痛みは、

4のレベルになり、三ヶ月の服用での生理時

の痛みは1程度になっています。

もう二回ほど生理の痛みの程度を確認して、

漢方治療も終了になります。

 

漢方 コラージュ

漢方研究会 コラージュ

代官山・東京

 

 

 

ALL
ページトップへ