気象病

天気が悪くなると体内バランスが崩れます

漢方医学で重要な考えは「気・血・水」です。これは日本語の場合と意味が少し異なります。

  • 「気」とは目に見えない生命エネルギー
  • 「血」とは全身を栄養する物質
  • 「水」とは体内における正常な水分

漢方では身体の中でこの「気・血・水」の3つが過不足なく保たれ、循環している状態を「健康」と考えます。

しかし、雨が降ったり台風が近づいたり、天気が崩れたりすると気圧が低下。すると、気の流れに異常が起こり、水の流れも変調をきたします。人体の70%は水でできているので、水が変調を起こしてしまうと、様々な病症が現れます。この病症が気象病です。

株式会社ウェザーニューズのデータによると、日本人の6割が気圧の低下によって何らかの不調を感じていると報告されています。さらに、女性の3人に1人は頭痛に悩まされているとのことです。

雨の日でも、みなさん表面上は普段通り生活しているように見えますが、多くの方が心身にストレスを抱えています。雨が降ったとき、梅雨や台風の季節が近づいたとき、そのような天気の変化で体調の不調を感じたら、気象病を疑いましょう。

気象病と関連する様々な症状

気象病の代表的な症状は「痛み」です。しかし、痛みが単独で現れることは少なく、いくつかの症状と関連しています。例えば、頭痛や腰痛などに加えて出てくるのが、冷え性・めまい・むくみ・しびれ・重だるさ・生理痛などの症状です。痛み・冷え性・むくみは、同時に現れるケースも多く見られます。

また、ほかにも自律神経失調症などとも気象病は関係があります。通常自律神経は運動したときや外気が変化したときに、体温調節や体内湿度調節を行ってくれます。しかし、気圧が低くなると、外からかかる圧力と中からの圧力のバランスが崩れ、自律神経が誤作動を起こしてしまうこともあるのです。これが自律神経失調症に繋がるとも言われています。

漢方治療は気象病に対応しています

気象病による頭痛や嘔吐などのつらい症状を、鎮痛剤で抑えるのは対症療法に過ぎません。是非、漢方治療によって体質からの改善を目指しましょう。

そもそも漢方薬とは、病気になる以前の身体の不調「未病」に対応しているものです。悪くなったところを治すのではなく、悪くなる前の段階から心身のアンバランスをケアしていく点に強みがあります。「なんとなくもやもやしている」「日々疲れが取れない」「やる気が起きない」といった現代型の不調に合致しているわけです。

気象病の漢方治療においては気と水の流れにアプローチしていきます。気の流れを良くする桂枝(ケイシ)・甘草(カンゾウ)と水の変調を調節する茯苓(ブクリョウ)・朮(オケラ)を組み合わせて処方。「冷え性がある」「生理痛を伴う」など、それぞれの患者さんの体質に合わせて微調整を行い、最適な漢方薬をお届けいたします。

デスクワークの多さ、人間関係のストレス、生活習慣の悪化などに漢方治療が有効なことは徐々に知られてきました。

しかし、気象病はまだまだ一般的には認知度が低い症状です。本当の原因がわからず苦しんでいる方は少なくはありません。漢方コラージュ代官山では、1人でも多くの気象病患者さんの力になりたいと考えています。

そのために、私たちは定期的に漢方研究会コラージュにおいて症例検討会を行い、より確かな診療結果へと繋げています。そこで得られた知見をもとに、それぞれの患者さんに合わせた漢方薬を処方できるので、他の医療機関では診断がつかないケースでも是非お気軽にご相談ください。

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