月経痛 月経量が多い 月経困難症:漢方コラージュ代官山
コラム
現代医学(婦人科学)からみた月経痛
そもそも子宮の役割は、妊娠して赤ちゃんが
発育していくベット(子宮内膜)なのです。
そして妊娠が確認されなければ、月に一回
お掃除のため内膜ははがされて血液を一緒に
体外に排出されるのです。これが月経です。
血液とともに体外に排出されるときに、
感じる下腹部や腰の痛みを月経痛と呼びます。
☆月経痛の原因
■プロスタグランジンの分泌量が多い
月経を起こすために、子宮を収縮させて体外に
押し出す働きが、プロスタグランジンなのです。
素体としてプロスタグランジンの量が多いと、
子宮の収縮が過剰になり月経痛も強くなります。
■冷え症がある
プロスタグランジンの働きは子宮の血管を収縮
させるので、血行が悪くなります。
血行がわるくなりと冷えてきます。
元々冷え症がある方は、余計に冷えることになり
月経痛はさらに強くなってしますのです。
■若い女性は子宮口が狭い
若くて出産経験のない方は、子宮口が狭いため
経血が体外に出るときにスムーズに流れ出ない
ために痛みを感じます。
出産を経験すると月経痛が軽くなる方が
いらっしゃるのは、子宮口が広がるからです。
■ストレスを感じてる
職場や学校などで対人ストレスを感じると、
自律神経やホルモンのバランスが乱れるため、
血行に影響が及ぶ月経痛が強くなるこもある
のです。
☆年代別の月経痛の問題
□10代の月経痛
先ほども述べましたが、出産の経験もない
ため、子宮口が狭い事が月経痛の原因になります。
□20代~30代の月経痛
社会で出てストレスや過労、そして睡眠不足など
が影響して月経痛が強くなってしまう方も
いらっしゃいます。
そして年齢とともに子宮内膜症や子宮筋腫と言った
婦人科の疾患も増えてきます。
□40代の月経痛
月経の周期が早くなったり、または遅くなったり
一定でなくなる事が出てきます。
これまでとは違った月経の状態に変わってきます。
更年期障害も考える必要が出てきます。
☆されに月経痛が強くなる
痛み止めを使用しても日常の生活に支障が出る
場合は、子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症
などの器質性月経困難症の疑いが出てきます。
このような場合は婦人科にて検査が必要に
なります。
器質的な問題になる前に漢方治療によって
コントロールできる事が望ましと言えます。
では、漢方で考える月経痛の治療について、
みていきましょう。
漢方で考える月経痛
◇冷える月経痛
月経が来るときに冷えを感じて痛む方が
いらっしゃいます。
このような方は、下腹部と腰にホカロンを
入れていることが多いです。
もともと冷え症の方で、月経時は更に冷えを
感じます。冷えることにより子宮の収縮が
強くなり月経痛となるのです。
漢方の治療としては、冷えることが影響しますので
温めながら子宮の収縮を弛緩させる方剤を用います。
ここでポイントになるのが、どこを温めるのか?
ここ重要です。もともと冷え症であるなら、
手足の末端が冷えます。
ここでは冷えを伴う月経痛なので、「子宮を温める」
ここを押さえないといけません。
漢方薬ですと当帰と言う薬草になります。
当帰芍薬散や温経湯が当てはまります。
◇イライラして月経痛
月経がくる数日前よりイライラ感が強くなり、
そして月経になり痛みます。
毎月規則正しく月経を起こさせる働きを、
漢方では「疏泄(そせつ)」と呼んでいます。
疏泄とは、気の流れをスムーズに保つ機能です。
この疏泄の働きが失調すると、メンタルに影響して
イライラしたり気持ちが落ち込んだりします。
そこで疏泄の働きを整えることによって、
メンタルも安定して痛みも軽減します。
ここでのポイントは、柴胡と芍薬この
二つの薬草のコンビが大切になります。
柴胡疏肝湯・柴胡桂枝湯・逍遥散などが適応します。
◇月経に血塊が混じる月経痛
月経量も多く、月経に血塊がまじり月経痛も
強い方がいます。
漢方では、「瘀血」が原因と考えます。
唇や舌の色が青紫やややどす黒い色になります。
皮膚にもクモ状血管腫ができやすい体質です。
瘀血を解消する処方を服用する事によって、
血塊の量も減少して痛みも楽になっていきます。
桃核承気湯・桂枝茯苓丸・通導散などが適応
となります。
◇月経が早い周期でくる月経痛
28日周期できてた月経が会社でのストレスや
睡眠が浅くなったころから、月経の周期が
21日位で来るようになってしまった方です。
このように早く来てしまった方の多くに、
のぼせが出てきます。
カーっと顔が熱くなります。
漢方で考える原因は、「血熱」です。
加味逍遙散や女神散などが適応となります。
◇子宮の収縮が強い月経痛
月経痛には付随した症状を伴う事が多いです。
例えば、冷え症・イライラ感・月経の周期の乱
月経過多や血塊が混じるなどなのです。
ところがこのような付随した病症を伴わなければ、
単純に子宮の収縮が強いと考えて良いのです。
その場合は、芍薬甘草湯が適応になります。
このように漢方では月経痛に伴う随伴症状
を考慮しながら、原因を解消して痛みを
軽減します。
機能性の段階の月経痛であれば、
ほぼ漢方治療で解消できると
考えております。
漢方コラージュ代官山
漢方研究会コラージュ
戸田一成
代官山 東京