冷え症 むくむ 痛む 下痢:漢方コラージュ代官山
コラム
☆現代医学からみた冷え症
現代医学からみた冷え症は、血液の流れが
悪いために毛細血管へ温かい血液が廻らず、
そのために血管が収縮して手足が冷えると
考えています。
冷え症の原因としては、生活習慣と深く
関わっています。
その原因をみていきましょう。
◎糖尿病や高脂血症を指摘されている。
血液がサラサラでないために、血行障害を
起こしやすく、そのために冷え症になりやすい
と言えます。
◎自律神経の不調
自律神経は、カラダの体温調節を自動的に
行っています。
暑いと血管を広げて汗をかかせて、
体内の熱を外に出します。
寒くなりますと血管を収縮して毛穴を閉じて、
体温を外へ逃がさないようにします。
ところが自律神経が乱れますと、
体温調節の働きがスムーズでなくなります。
そうしますと、毛細血管が収縮して血液の流れ
が悪くなり、冷え症の原因になります。
◎ストレスが強くかかり負担になってる
対人ストレスなどが強いと、常にイライラして
交感神経が高ぶり、自律神経のバランスが乱れ
体温調節がうまく機能しなくなり、
冷え症の原因となります。
◎痩せている
そもそも痩せている方は、食事による
摂取カロリーが少ないと言えます。
人体が体温を維持する基礎代謝は
食事によるカロリーがエネルギー源
になります。
小食で痩せている方は、エネルギーが
不足しているので、冷え症となりやすい
のです。
◎生活の中に運動の習慣がない
運動はカラダの代謝を上げて、
血液循環を良くします。
運動を全くしない方は、
代謝が悪くそのために太りやすくなります。
また血液循環も悪いため冷えやすいのです。
全ての症状・疾患において、日常生活に
運動を取り入れることは必須条件になります。
◎女性であること。
一般的に男性は暑がりで、女性は寒がりです。
夫婦でも夏のエアコンは、ご主人は温度を
低く設定したがり、奥様は高めを望みます。
時にこの室内の温度が深刻な問題にもなるのです。
これは筋肉量の差なのです。
やはり男性の筋肉量は多く、
女性は男性に比べて少ないです。
筋肉の働きは二つあります。
一つは、熱の生産。
もう一つは、水ハケのポンプです。
ですから、筋肉量の少ない女性は、
熱の生産も弱く冷え性になりやすく、
また水ハケのポンプの働きも弱いため
むくみやすいのです。
現代医学からみた冷え性はこのように
なります。
では、次は漢方からみた冷え症になります。
☆漢方からみた冷え性
冷え症の女性の方を数多く診てきました。
その中で気づいた事があります。
それは、
「冷えは水を呼ぶ、水は冷えを呼ぶ。」
この格言は非常に的を得ています。
どのようなことか?
冷え症の方は浮腫みやすい。
また、浮腫みやすい方は冷えやすい。
このような法則があるのです。
では、具体的にどこが、どのように冷えるのか?
みていきましょう。
■夏のエアコンや寒冷地などで冷える
この場合では、もともと冷え症とは関係なく、
環境的要因でエアコンや寒冷地に行き、
身体の外から冷やされた場合です。
夏のセミナーや講演会に参加して、
エアコンが効きすぎた経験がおありの方は
多いと思います。
この場合は、五積散を用います。
ですから、夏のセミナーなどに行かれるときは、
バックの中に五積散を入れておいて、冷えそうだと
感じたら頓服服用すれば良いのです。
冷えることで膀胱炎になりやすい方の予防方法
としては、とても効果的です。
■足先の末端が冷える
女性の方に圧倒的に多い冷え症状です。
このケースでは原因が二通りあります。
①全身のエネルギ不足の場合です。
疲れやすく、カラダのパワーが無いタイプ
の方になります。
乾姜や附子と言う生薬をベースに考えます。
桂枝加附子湯、真武湯、茯苓四逆湯が適応
になります。
②漢方で考える血が冷えてる場合です。
血が冷えますので、痺れたり痛みを
伴う事もあります。
また血が冷えると血の不足を伴う事も
多いので、顔色は青白くなることも
あります。
当帰芍薬散や当帰四逆加呉茱萸生姜湯
などが用いられます。
■腰のあたりが冷える
どちらかと言うと年配の方に多いです。
腰のあたりが冷えて、どっこいしょと
表現される方もいらっしゃいます。
この症状も冷えと水が共存します。
温めながら水の偏在を解消する
苓姜朮甘湯を用います。
■背中が冷える
この症状は女性に多いです。
漢方で考える「痰飲」と言う病理が
存在している場合に多く出ます。
痰飲を解消する苓桂朮甘湯や茯苓沢瀉湯
を、、用います。
■肺が冷える
特に寒冷刺激により発生します。
症状としては、咳または喘息です。
暖かいところから寒い屋外に出た時
などに起こりやすいです。
最近では北からの爆弾低気圧でも
起こります。
肺を温めながら水を抜く、小青竜湯や
苓甘姜味辛夏仁湯を用います。
■胃腸が冷える
もともと胃腸が弱い方は、お腹が冷え
やすいと言えます。
また、少し冷たいものを摂取しただけ
でも冷えてしまいます。
最も多いのは、水溶性の下痢です。
そして、胃やお腹の痛み、悪心も
あります。
理中湯、大建中湯、呉茱萸湯などが
使われる事が多いです。
■子宮が冷える
下腹部に冷えを感じます。
ホカロンを入れてる方もいます。
子宮が冷えますので、月経痛が起きやすく
なります。また、月経の周期が遅れ気味に
なったりします。
不妊症の原因の一つと考えられています。
温経湯や艾附緩宮丸を用います。
■膀胱が冷える
膀胱が冷えますと、頻尿や夜間尿になります。
更に膀胱炎症状である、排尿痛や残尿感など
も起こる場合があります。
膀胱の冷えも甘草乾姜湯をベースに処方を
選びます。
このように「冷え症」を漢方の考え方で
的確に治療することによって、
つらい冷えから解放されます。
また、冷え症がありますと、
それにまつわる数々のトラブルも併せて
改善することもできます。
冷え症でお悩みでしたら、
是非煎じ漢方を試してみてください。
漢方コラージュ代官山
漢方研究会コラージュ
戸田一成
代官山 東京