コラム

にきび 漢方薬 その五

コラム

ニキビでお困りのAさんが、漢方相談

に来られました。

Aさんは29歳の女性で証券会社に勤めています。

身長は157cm、体重は46kgで痩せている印象

を受けます。

 

☆Aさんのニキビ

Aさんのニキビは、頬から顎にかけて面皰が

散在しています。

但し面皰も小さく赤みもうすく、発赤・充血

・化膿などの炎症所見に乏しく、いつまで

経っても大きくなりにくいニキビです。

 

☆Aさんのニキビ 全身症状

4年前頃からあまり目立たないニキビが、

気になりだしました。

その頃から体調があまりすぐれない感じが

ありました。

家族からも顔色が悪いねと言われたり。

疲れやすいと感じる事もありました。

そこで内科を受診して検査をしてもらうと、

軽く貧血があると指摘されました。

一応婦人科も受診しましたが器質的な病気も

含めて異常はありませんでした。

漢方的にAさんの全身症状を確認してみる

事にしました。

・疲れやすい

・冷え性(冬は電気あんか使用)

・下痢しやすい

・浮腫みやすい(顔・手指・足首)

・雨の日に頭痛になりやすい

・生理の量が少ない(1~2日で終わる)

このような症状が確認できました。

 

☆Aさんのニキビ 漢方治療

特に4年前頃から、生理の量が少なくなり、

冷え性が酷くなり、浮腫みを感じる事が

多くなってから、ニキビが悪化してきました。

もともとAさんはあまり動物性タンパク質(肉)

を食べるのが苦手です。このような女性に多い

のは、貧血になりやすい事です。

ガソリンが入って来ないので、血液は薄くなります。

症状としては、まず疲れやすくなります。

そして、生理の量も少なくなります。

場合によっては、生理が来なくなってしまう事

もあるのです。

このようにエネルギー不足のAさんは、ニキビも

エネルギーがないため、赤みの薄い発育の悪い

ニキビなのです。

漢方で考えるAさんの体質改善は、不足している

血を補い、身体が冷えてるので陽気を増し、

浮腫みに対しては水の偏在を改善する事に

なります。このような体質が改善されれば、

ニキビも軽減していくものと思われます。

このようなAさんに適応する処方は、

当帰芍薬散になります。

この処方の出典を見てみましょう。

今から1800年前に書かれた『金匱要略』

の妊娠編に出て来ます。

「婦人妊娠、腹中㽲痛するは、当帰芍薬散

之を主る。」

また、婦人雑病編に「婦人、腹中の諸疾痛は、

当帰芍薬散之を主る。」とあります。

出典をみますと、妊娠や婦人疾患の腹痛に

用いられていますが、現在ではもっと幅広く

応用されているのです。

それでは、漢方処方解説(矢数道明著)の

当帰芍薬散の解説をみますと、

「当帰芍薬散証の人は、第一血色が悪い、

決して赤ら顔ではない。それもただ貧血して

色が白いというのではなく、蒼味がかかり、

何となく黒みを帯びているような血色で、

しかも色艶がない。

やや乾燥気味でありながら水っぽいように

たるんだ肌である。

冷え性で身体は虚証である。」

このような説明があります。

正しくAさんの体質にピッタリ当てはまります。

そこでAさんには、当帰芍薬散を煎じて服用して

頂きました。そして、出来る範囲でお肉を食べて

もらうことにしました。

二か月服用した頃より生理の量が増え、冷え性や

浮腫みも軽減してくると、ニキビも目立たなく

なってきました。

都合六か月の服用で諸々の症状は軽減して、

ニキビもほぼ消失したため廃薬して様子を

みる事にしました。

カンポウ コラージュ

漢方研究会 コラージュ

代官山 東京

戸田一成

 

 

 

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