産後の体調不良:子宮の収縮の痛み、むくみ、疲れ、肌荒れ、脱毛、産後うつ。
コラム
❖女性はすごい!
女性にとって、妊娠そして出産は人生に
おける命がけの大仕事。
男性が妊娠と出産ができるとしたら、
どれだけの男性がこの大仕事をできるのか?
やはり、女性は強いし立派だと思います。
ですから、家庭でも社会でも女性が主導
して、世の中を回せばどれだけ良いか。
徐々にその事に気づき始めた男性も
多いと思います。
❖妊娠そして出産
妊娠が確認できてから女性は、
赤ちゃんが生まれてきて大丈夫な時期
約十か月ものあいだ、食べた栄養を
赤ちゃんに送り続け育てます。
そして、女性にとっての一大イベントである
出産に臨みます。
出産は、体力そして気力を使い果たします。
それだけに産後の過ごし方が重要になって
くるのです。
❖産後
出産後のママのカラダは妊娠前に戻ろうと、
子宮が収縮して痛みが起きたり、
悪露が出たりします。
出産によってカラダはとても消耗してますから、
「血流の悪さ」や「気力の低下」を招きます。
産後の6~8週にかけての時期を「産後の肥立ち」
と呼びます。
この期間にカラダをゆっくりと休む事が
できるか否かで、その後の体調に影響が
及んでしまうのです。
❖産後の諸症状
「痛み」
出産直後から子宮は強く収縮して、元の大きさ
に戻ろうとします。
特に産後2~3日は子宮の収縮が強いので、
陣痛のような痛みを感じる事があります。
4週間程度で妊娠前の大きさに近づいて
くるので、痛みは次第に治まります。
しかし、痛みが辛い場合は、この収縮を
緩めるために、当帰建中湯と言う処方が
有効です。
「浮腫み」
妊娠中は運動不足になりがちです。
やはり筋肉量が落ちてしまいます。
そうしますと「血流の低下」を招き
全身が浮腫みやすくなります。
あまりにも浮腫みが強いと、
だるくなります。
そこで産後の浮腫み用いる漢方処方は、
当帰芍薬散になります。
「疲れ・倦怠感」
出産時は出血を伴います。
漢方では陰血が損傷を受けたと捉えます。
このような状態になりますと、疲れやすく
なります。
更に状態が進みますと、手足のほてりなどが
出てきます。
ここで用いる漢方処方は、温経湯になります。
❖肌荒れ
出産のカラダへのダメージにより、
肌に元気がなくザラザラと乾燥肌
になりやすくなります。
サメ肌のような感じです。
特に肌の元気を回復したいときに、
用いる漢方処方は黄耆建中湯です。
❖脱毛
出産後、漢方で考える陰血の不足により
髪の毛がごっそと抜けてしまう方がいます。
陰血を補う必要があります。
そこで用いる漢方処方は帰耆建中湯なります。
❖産後うつ
妊娠そして出産とカラダのホルモンの状態が
大きく変化します。
そして、授乳などの疲労や睡眠不足が重なり
症状が現れます。
なかなか眠りにつけなかったり、
食欲がなくなり体重の減少がみられたり、
集中力が低下したり、
抑うつ気分になったりします。
どのような症状が主訴なのかによって、
用いる漢方処方は異なります。
産後の体調不良には、漢方治療が有効な
事を多く経験します。
病態を的確に把握するためにも、
脈・舌診の確認が必要になります。
漢方コラージュ代官山
漢方研究会コラージュ
戸田一成
代官山 東京