漢方コラージュ代官山:熱中症 夏バテ 夏の体調不良 だるい
コラム
☆夏の体調不良
梅雨の多湿の頃から、徐々に体調が悪くなる。
梅雨が明けて、一気に気温が上昇するとアウト。
このような方が年々増えています。
内科にて検査をするも異常がない。
そこで夏バテに良い漢方薬がありますよと、
進められてツムラ・補中益気湯を服用するも、
効果無し。
更に藁をもすがる気持ちで漢方薬局にいくと、
それなら清暑益気湯が良いですよと購入して、
飲んでみたが、何も変わらない。
このような方を多く見てきました。
☆どうしたら、夏バテを予防して
克服できるのか?
救急救命医のSくんに、
救急車で熱中症の患者さんが運ばれて
来たとき、これはまずいぞ、
急がなくてはとか、
この方はそんなに慌てなくても大丈夫、
とかありますか?
と質問しました。
Sくんは、それがあるんだよと。
まず、患者さんの筋肉のつき方を見る。
筋肉がしっかりある方は慌てない。
筋肉が無い方は的確に急いで処置を
しないといけない。
一般的にも小さなお子さんとお年寄りは
熱中症に気を付けてと、言いますね。
正しく、筋肉量のことなんです。
成長の途中のお子さんは、
どうしても筋肉量が少ないですね。
年齢を重ねたお年寄りの方も、
徐々に筋肉量が減ってきます。
結果、お子さんとお年寄りの方は、
熱中症になりやすいですし、
夏に弱いです。
☆筋肉量の多い・少ないが、
なぜ、
熱中症や夏バテに関係するのか?
人体の60%~70%は水です。
そして、この水が一番多く集まって
いるのが、筋肉なのです。
そもそも筋肉量がある方は、
体内に水が多くあると言えます。
水の貯金が多くあれば、
熱中症になりにくいという事になります。
熱中症の予防は、筋トレになります。
筋肉量を増やす事が熱中症の予防に
なります。
☆具体的にどうするのか?
筋トレで筋肉量を増やすと言っても、
現実的ではありません。
そこで、、、提案があります。
♠「筋肉を刺激する」
筋トレと言っても、ジムやプールなど
でのトレーニングは、なかなかハードル
が高いです。
筋肉を増やすというよりは、筋肉を刺激
する程度でも効果はあります。
これでしたらご高齢の方でもできますし、
実際に効果があります。
例えば歯磨きをしながらのスクワット。
昼の休憩時間の5分間ダンベル。
このように、ちょっとした時間の
短時間のトレーニングが非常に有効
なのです。
日常の生活の中に筋肉を使う動作を
組み入れる事が大切です。
「筋肉を刺激する」ことこそが、
夏バテからの脱却の一歩になります。
☆筋肉を刺激する
+漢方治療で
夏に強くなる
♠冷え性がある方
カラダが冷えてますと代謝も悪くなり、
疲れやすく夏の暑さに対応できません。
そこで、冷え症を改善する必要があります。
お腹が冷えやすく、冷えが全身に及ぶ方には、
人参湯が適応となります。
また、腰の周りが冷える方は、苓姜朮甘湯が
有効です。
冷えの他にカラダに痛みがある方には、
附子湯になります。
♠浮腫みやすい方
冷え症と浮腫みは密接な関係にあります。
浮腫みがありますと疲れやすくなります。
浮腫みも夏バテの原因の一つになります。
全身に浮腫みがあり、汗をかきやすい方
ですと、防己黄耆湯になります。
浮腫みだけでなく、冷え症もあり、
疲れやすく体力が無い方ですと、
真武湯が適応になります。
また、生理不順などの婦人科疾患が
伴う方は、当帰芍薬散になります。
♠下痢しやすい方
下痢しやすくお腹を壊しやすい方は、
夏に弱いと言えます
少しの事でも下痢にならないカラダを
作ることが、夏バテからの脱却になります。
少しでも冷えると下痢になる方には、
人参湯がオススメです。
更に手足の末端が冷える方には、
附子を加えた附子人参湯が適します。
ビールなどアルコールを飲まれる方の
下痢には、半夏瀉心湯になります。
♠夏になると食欲がない方
夏バテの防止に食欲はポイントになります。
しっかりと食事が摂れないと、
ガソリンが入ってないのと同じ状態です。
当然、疲れやすく夏バテになってしまいます。
夏になる前から丈夫なお腹を作っておく必要が
あります。
体質の違いにより、六君子湯・参苓白朮散
・理中湯などを使い分けて処方します。
♠台風・雨の前になると
体調不良の方
このタイプの方は気象病です。
気象病からの脱却が夏バテからの解放
に繋がります。
カラダのだるさ・頭痛・めまい・浮腫み
・しびれなど… に対応するため、
苓桂朮甘湯・茯苓沢瀉湯・五苓散などを
用います。
夏バテに補中益気湯を服用して
効果の無かった方は、
是非とも、
筋肉を刺激するとともに、
的確な漢方治療により、
夏バテ・夏の体調不良から、
解放されます。
漢方 コラージュ 代官山
漢方研究会 コラージュ
戸田一成