コラム

雨・低気圧・台風・梅雨時、とにかくだるい:気象病

コラム

雨が続く梅雨時や気圧の低下を伴う台風

の時になると、とにかく身体がだるく、

手足に重りをつけているような感じになる

ことで、困りのPさんが漢方相談に来られました。

Pさんは、36歳の女性で銀行で事務の仕事を

されています。

一応、近くの内科クリニックで必要な検査を

しましたが、異常はありませんでした。

いつ頃からこのような症状が気になりだしたのか?

お聞きしましたら、3年ほど前からとのことです。

それまで定期的にテニスのスクールに通って

いましたが、膝の痛みが出るようになり、

テニスを止めてから5kg体重が増えたそうです。

pさんは、太った事とだるさと関係があるように

感じています。

雨と低気圧でとにかくだるくなるのですが、

テニスを止めて太りだした頃より、じわっと

汗ばむことが増えたようです。

そして、雨と低気圧により顔や手指そして足首の

あたりが浮腫みやすくなったそうです。

pさんのこのような症状は気象病です。

 

☆漢方的解釈

症状の増悪要因は、雨と低気圧ですから、湿度

の影響が考えられます。

ですから秋から冬にかけて湿度が低下している時は

あまりだるさを感じないのです。

人体の約70%は水と言われています。

そうしますとPさんは、身体の水の代謝とバランスが

悪いために湿度が高くなると、だるさを引き起こす

と仮定できます。

さらに、じわっとと汗ばむことや浮腫みやすいことも、

身体の水の代謝やバランスが悪いためです。

例えば、濡れたTシャツを着ますと重いです。

重いとだるくなります。

カラッと乾いたTシャツは、着ても軽いです。

Pさんは、常に濡れたTシャツを着ている状態

なのです。

そこで、身体の水の代謝を良くして、水の

バランスを良くするための処方が必要に

なります。

そこで江戸時代の後期の漢方医である浅田宗伯

が書いた『勿誤方函口訣』に次のようにあります。

「防己黄耆湯は、風湿表虚のものを治す。

故に自汗久しく止まず、皮表常に湿気ある者に

用いて効あり。

身重は湿邪なり、脈浮汗出では表虚する故なり。

腰以下水の如く言うは皆湿気下行の徴と知るべし。」

解説しますと、防己黄耆湯は湿邪が高くなって、

身体の表面の気が虚した方を治療するとができます。

いつも肌がウエットで汗ばむ方に用いて効果が

あります。

身重すなわち身体がだるい、これは湿邪の影響です。

腰以下が浮腫むことも湿邪による事です。

防己黄耆湯は、気象病によく使う処方です。

 

このような症状を訴える方は、女性に多く見られます。

色白肌でポチャとした女性をイメージして頂くと

分かりやすいかと思います。

そこでPさんには、煎じ薬で防己黄耆湯を

処方しました。

そこで以下のようなお願いをしました。

積極的に運動している方やアスリートの方には、

雨と低気圧で身体がだるくなる方はほとんど

いません。

これはどうしてなのか?

身体に占める筋肉量が多いからなのです。

では、なぜ筋肉量が多いとPさんのように

ならないのか?

それは、筋肉がポンプの役目をしているから

なのです。

太ももやふくらはぎや足底などに、筋肉は

あります。下半身から足先にかけて体液が

流れていきます。そこで筋ポンプがしっかり

作動すれば、足先に行った体液は戻ってきますので

足が浮腫む事はありません。

ところが筋肉量が少なくポンプの働きが弱いと

浮腫みやすくなるのです。

そうしますと体内に過剰な水があり、濡れたTシャツ

を着ている事になり、身体がだるくなるのです。

漢方薬の服用で過剰な水は是正されますが、

同時に下半身の筋肉を強化する事によって、

より速やかに、雨と低気圧によるだるさから

開放されるのです。

そこでPさんに勧めたのは、スクワットです。

自宅でも会社でもどこでもできます。

スクワットは回数でなく時間を目安すると

効果的です。

できる限りゆっくりと上下に、最初は1分から

初めて徐々に時間を増やしていく事です。

 

Pさんは漢方薬の服用とスクワットの運動により

二か月経過した頃には、ほぼ症状が消失しました。

まだ台風など気圧が急激に下がるときなどは、

症状がでるため服用中です。

気象病から開放される日もそう遠くないでしょう。

戸田一成

漢方 コラージュ

漢方研究会 コラージュ

代官山・東京

 

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