コラム

気象病:雨の日と神経痛

コラム

雨の日になると臀部から大腿後側にかけて

放散する痛みに悩んでいるPさんが

来られました。

Pさんは、46歳の主婦の方です。

普段はあまり痛まないのですが、

雨になったり、台風が来ると決まって

痛みます。

雨や台風が来るという事は、気圧が下がり

湿度が上昇する条件が整うと病症が発生し

ますので、これは正しく気象病になります。

痛むときは、お風呂で温めますと楽になります。

反対に冷房などで冷やすと良くありません。

pさんのような痛みには、今から2000年前に

書かれた『金匱要略』の痙湿暍病篇に出てくる

桂枝附子湯が適応になります。

「傷寒八九日、風湿相搏、身体疼煩、

不能自転側、不嘔、不渇、脈浮而濇者、

桂枝附子湯主之。」とあります。

「風湿相搏」とは、風が吹くと気圧が

下がります。そして、湿度が上がります。

この風と湿が相まって体内に侵入して

来ると、「身体疼煩」即ち激しい痛みが

発生し。「不能自転側」寝返りをする事も

できなくなります。

1800年前に書かれたこの書籍には、

気象病と言う言葉は使われていませんが、

その時代にも気象病は存在していた事に

なります。

Pさんは正しくこの状態で、台風が来ると

気圧が下がり湿度が上昇して、痛みと

なります。

そこで、Pさんに桂枝附子湯を服用して

頂くと、台風が来ても以前ほど痛まなく

なりました。来年は、台風の時期の

二か月ほど前から服用すれば症状は抑え

られると思います。

気象病には、頭痛・目まい・浮腫みなども

ありますが、気象病に伴う神経痛では

桂枝附子湯が第一選択処方になります。

 

良く本などに、桂枝附子湯に似た名称で

桂枝加附子湯があります。

この処方も痛みに使います。

桂枝加附子湯の出典を見てみましょう。

出典は、『傷寒論』という書籍です。

「太陽病、発汗遂漏不止、其人悪風、

小便難、四肢微急、難以屈伸者、

桂枝加附子湯主之。」とあります。

「発汗遂漏不止」がポイントです。

風邪をひいてゾクゾクと寒気がして、

葛根湯のように汗をかかす処方を

飲んだところ、汗をかいてスッキリと

風邪が治るのではなくて、発汗によって

汗が止まらなくなった状態です。

このような状態は、健康な方では

なりません。

もともと虚弱な体質か、凄く疲れて

いる方です。

桂枝加附子湯は、台風が来るとか

雨が降るとかでなく、普段から虚弱な

体質の方が神経痛を起こしたときに

適応となるのです。

桂枝加附子湯は、直接的には気象病とは

関わりを持たない処方と言えます。

桂枝附子湯と桂枝加附子湯とは、

このような使い分けがあるのです。

漢方 コラージュ

漢方研究会 コラージュ

 

 

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