Lab collage(漢方研究会):寒熱を捨てる勇気を持てと….Y漢方医
研究会
江戸時代の中期、パッと現れたY漢方医。
江戸初期から続いた、中国伝統医学を
バッサリと否定します。
そして、京都において一世を風靡します。
☆「寒熱」というモノサシを捨てろと
なぜか?
本草書は、ウソだと言う。
例えば、『本草備用』…..
「人参 生甘苦微涼 熟甘温大補肺中元気」
有名な文章ですね。
他の本草書も、ほぼほぼ同じ表現になります。
「人参は、身体を微かに涼すと。」
Y漢方医は、微かに涼するなんて、
体感として分からないと。
理屈としてのでっち上げだと。
中国伝統医学の得意とするところだと。
始まりは、「不老長寿の薬」を求めた、
「神農本草経」。
Y漢方医が表した薬物学には、寒熱の表現がない。
初めて処方・薬物が登場するのは、
『傷寒論』『金匱要略』。
ここでも寒熱の解釈はしていない。
☆さらに、薬草で「元気」を補う事は
できないと言う。
上記の本草備用には、
「人参は肺中の元気を補う」とある。
Y漢方医は、ここも真っ向から否定する。
「元気を補う」事ができるのは、食事だけだと。
☆Y漢方医の説は、正しいのか?
さて、あなたはどう考える?
実際の臨床で試して見れば良いのである。
正解は、現実の臨床にある。
☆ここからは、私の話。
かなり前の出来事。
学生さんを集めた勉強会で、
「肝」について話をしろと。
肝の病理について、一通り話していたが…
「熱極生風証
高熱・意識不明・手足の痙攣・角弓反張・両眼上視….
治療処方:至宝丹」
話しながら脳裏をよぎるのは、この状態は救急車だよと。
漢方薬を服用させる現実があるのかと?
学生さんを前にして、話してる自分が情けなくなった。
それから、この会合に参加するのを辞退した。
現在は、願望や憶測に基づいた理論は否定して、
根拠を求める経方理論を根底にした勉強会を
主宰している。
毎月、全国各地から50名近い医師・薬剤師が
参加して頂いている。
それでも、問い合わせが続いている。
やはり、根拠に基づいた勉強会を
求めている若い方々が多いのに
驚いている。
伝統とは、守るものではない、
変化に対応してこそ、伝統は受け継がれる。
lab collage(漢方研究会)
戸田一成
代官山 東京