気象病:梅雨時の重だるい足
コラム
毎年、梅雨時になると足が重くなり困っているYさんが、
漢方相談に来られました。
Yさんは34歳の女性、小学校で事務の仕事をしています。
梅雨時でなくても雨が続いたり、秋雨の頃にも足に重りを
つけたようなだるさを感じます。
気圧が下がり湿度が上昇しますと、Yさんの足首から脛にかけて
浮腫みます。この浮腫みが重だるさの原因です。
Yさんのような症状は、圧倒的に女性に多く見られます。
気象病に伴う足のむくみや重だるさは、筋肉量に関係する事が
分かってきました。
やはり男性に比べて女性の方が、筋肉量が少ないと言えます。
Yさんのような症例では、漢方薬の服用だけでなく、日常の生活の中に
運動を取り入れてもらう必要があります。筋肉を刺激する事が大切です。
気圧が下がり湿度が上昇して浮腫みが現れます。
漢方の考え方では、気圧の低下により気の流れに異常が起こります。
そして、体内の70%を占める水の流れが偏在することにより浮腫みが
発生すると考えます。
そこで水の偏在を解消するために、蒼朮・茯苓・沢瀉を用います。
また、筋肉は第二のポンプと言われるように、筋肉の働きを良くして
浮腫みを軽減する事も考える必要があります。
筋肉に栄養を送りポンプの働きを良くするために、
当帰・芍薬・川芎を用います。
このように、水の偏在からくる浮腫を解消する蒼朮・茯苓・沢瀉と、
筋肉ポンプの働きを良くする当帰・芍薬・川芎を合わせてYさんに
服用してもらいました。
そして職場に通勤する時に一駅前で電車から降りてもらい、
20分かけて一駅分歩いてもらいました。
漢方薬の服用とウォーキングにより筋肉の働きが良くなり、
梅雨時になっても例年のような足の重だるさは無くなりました。