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漢方研究会 コラージュ 『傷寒論』「悪風 葛根湯主之」の疑問

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『注解傷寒論』31条に「太陽病 項背強几几

無汗悪風 葛根湯主之」とあります。

現代中医学では、

中風ー自汗ー悪風ー桂枝湯ー表寒虚証

傷寒ー無汗ー悪寒ー葛根湯ー表寒実証

このような認識があります。

31条では、悪風が悪寒であれば問題が無い

のですが、悪風で葛根湯が疑問であると

聞かれることが良くあります。

解説書によっては、誤植とかいろいろな

解釈をしていますが、31条においては

悪風で葛根湯で良いのです。

 

では、見ていきましょう。

『傷寒論』を読んで行くときに大切なのは、

構造としての理解や系統としての理解が

重要なのです。

ここは、系統的な流れで見て行けば良いのです。

31条「太陽病 項背強几几 無汗悪風

葛根湯主之」

次に35条を見てみましょう。

35条「太陽病 頭痛発熱 身疼腰痛 骨節疼痛

悪風無汗 而喘者 麻黄湯主之」

ここもおかしいですね。

麻黄湯も表寒実証ですから、悪寒になります。

31条と35条までしか見てないと、これは

おかしい間違いでないかと疑問が沸きます。

そこで、38条を見て頂きたいのです。

38条「太陽中風 脈浮緊 発熱悪寒 身疼痛

不出汗而煩躁者 大青龍湯主之」

もうお分かりですかね。

まず、悪寒から悪風は、二つにハッキリ分ける

ことはできません。

実際の臨床においては、悪風から悪寒まで

のグラデーションがあるのです。

そして、悪寒の中にも程度が軽い場合から

強い悪寒までのグラデーションがあるのです。

この「悪寒」の強い弱いの程度の違いを

示す為に、

31条-悪風ー葛根湯

35条ー悪風ー麻黄湯

38条-悪寒ー大青龍湯

このように提示したわけです。

この三処方においては、悪寒の程度が

強い大青龍湯をこのように表現したのです。

大青龍湯の悪寒に比べて程度が弱いのが、

麻黄湯・葛根湯になります。

この二処方も悪寒になります。

このように系統的な流れの中で理解を

しますと、納得できると思います。

 

しかし、もう一つの疑問が沸きます。

38条「太陽中風 ~ 大青龍湯」

大青龍湯は、表寒実証ですから、

太陽中風ではおかしいのではの疑問。

ここ、また別の機会にお話しましょう。

 

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