コラム

漢方薬 即効性がある? いや長く飲まないと効かない?

コラム

 

漢方内科や漢方薬局のHPを見ると、

漢方薬の服用により、

早く症状の改善が見られます….

このようなイメージを抱かせる

文章が多い気がします。

一般の方は、本当だろうか?

漢方薬は長く服用する感覚があるため、

疑問に感じると思われます。

 

そこで、具体的な例のもとに、

実際にはどうなのか?

説明したいと思います。

 

☆薬の即効性について

 

まず、病院で使われる麻酔薬や鎮静剤は、

ほんの数秒で意識を落とす即効性があります。

このような数秒で効果が現れる即効性は、

漢方薬にはありません。

 

☆漢方薬における即効性とは?

 

近所に住まわれているSさんを

例に話してみましょう。

Sさんは、風邪を引きそうになると

直ぐに来られます。

そして、Sさんの風邪は喉の痛みから

始まる事が多い特長があります。

(他の症状については割愛します。)

そこで、麻黄附子細辛甘草湯を処方しますと、

1〜2日ですっかり良くなる事が多いです。

漢方薬における即効性とは、

感染症を始めとして、1〜2日で治る事なのです。

喉の痛みから始まった風邪が、

長引いてしまい咳が止まらない状況に、

なってしまうことを考えると、

1〜2日で治れば即効性があると

判断できると思います。

漢方薬の即効性とは、1〜2日で治る事になります。

 

即効性のポイントは、

症状が発症してからの時間が短い。

 

それでは、

症状が発症してからの時間が長い場合について

具体的にみてみましょう。

 

☆即効性は期待できず、長期間服用が必要なケース

 

37歳の二児のママであるYさんが来られました。

お困りなのは、気象病と乗り物酔いです。

梅雨時は気圧の変動が激しい事が多くなります。

Yさんは気圧の低下により、2日間寝込んでしまいました。

子供さんもまだ小さいので、とてもお辛いようです。

 

そこで、

漢方薬が得意とする気象病治療を希望されましたが、

今回のケースでは即効性は期待できません。

 

Yさんの気象病と乗り物酔いは

小学校の頃より始まっていたのです。

そして現在まで、

約25年程この症状が続いているのです。

そこでYさんには、漢方薬の服用が

長期(6ヶ月〜1年以上)に及ぶ事を説明しました。

 

症状が発症してから、数日なのか?

または数十年経っているのか?

このような状況によって服用期間が

違ってくるのです。

 

「漢方治療では早く効果が出ます」

このようなPRは、

患者さまの症状の背景にある事を

しっかりと認識しないと、

言えないフレーズなのです。

 

長期間の服用が必要な方には、

経済的な問題や毎日煎じる手間、

このような事を説明して、

納得して頂かないといけません。

 

Yさんにもこのような説明をしまして、

長期に服用できるのか?

考えて頂くことにしました。

 

結果、Yさんは覚悟ができたという事で、

漢方治療がスタートしました。

 

☆漢方治療で効果が現れる特徴

 

慢性的な症状に対して漢方治療行った場合、

症状が少しずつ良くなって行くように見える

「徐々に改善して行く流れ」には、

なりにくいのが特徴です。

 

たとえばYさんの場合、

一番辛い状態を10段階の「10」とすると、

漢方薬を飲み始めても直ぐに、

「9→8→7…」と段階的に良くなる

わけではありません。

治療の初期は、体の土台を整えている

段階なので、しばらくは「10のまま」

変化を感じにくい時期が続きます。

 

この「変化が出るまで」に、

ある程度の時間とエネルギーが必要です。

Yさんの場合は、この時期がおよそ3ヶ月ほど

かかりました。

 

しかし、いったん「10→9」と変化が

現れると、そこからは比較的スムーズに

「8→7→6→5…」と改善が進んでいく事が多いです。

 

このように、

漢方薬の即効性や服用期間につきましては、

患者さまのお困りの症状の背景にある歴史に

よって異なるのです。

 

十分な説明を受けて、

経済的負担や毎日煎じることが

できるのか?

ここの確認が必要になるのです。

 

漢方コラージュ代官山

Lab  Collage

戸田一成

代官山 東京

 

女性に特化した漢方

 

 

 

 

 

 

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