研究会

「感性を磨く必要があります」フレンチシェフの言葉

研究会

『未来につなぐフランス料理』

ル・スプートニク 高橋雄二郎著

からの抜粋

 

「誰かが新しい技術を見出し、

別の誰かがその技術を応用して、

また新しい技術を開拓していく。

フランス料理は、

斬新なおいしさを追い求める

料理人たちの情熱のリレーによって、

常に進化を続けてきました。」

 

これは、

まさしく江戸時代から続く

日本漢方と同じと言えます。

 

「どんなに魅力的な料理を作りたくても、

自分の知識と経験を超えた料理を、

生み出すことは決してできません。

だからこそ、

多くの技術を学び、

素材の対する理解を深め、

感性を磨く必要があります。」

 

漢方においては、

多くの臨床経験を積み、

生薬に対する理解を深め、

創造性豊かに治療にあたる必要があります。

 

「以前は、最高級食材を贅沢に使うことこそ、

一流レストランの証だと言われていたものが、

健康を考えた軽くてヘルシーな料理が

脚光を浴びるようになり、

地元の身近な素材の魅力を掘り下げることや、

環境や社会に配慮した持続可能な料理を

提供することも、モードなおいしさだと

歓迎されるようになりました。」

 

漢方においても、高貴な漢方薬を使うことが

もてはやされていた時代がありました。

鹿茸、冬虫夏草、牛黄など……

限られた資源を有効に活用することや、

身近にある生薬である、

甘草、生姜、ナツメ、芍薬、シナモンなどを

駆使して治療にあたり結果を出す。

経済性も考慮して、ミニマルな治療が

モードと認識されつつあります。

 

「しかし、どんなに価値観が変わる中でも淘汰

されずに定番化し、クラシックとして生き続けて

きた料理もあります。」

 

漢方では、正しく『傷寒論』『金匱要略』に

なります。

 

「私の料理も、未来にクラシック料理の一つ

として受け継がれることができれば…..

そんな思いで、今日も創作意欲を燃やしています。」

 

現代の漢方医も、正しくです。

 

時代は必ず変わります。

歴史を見れば明らかです。

例えば、江戸時代…後期になるにつれ、

続々と腕の良い臨床医が現れます。

ところが、現代においてそのままを

受け入れる事はできません。

生活環境や気候などが、あまりにも

違うからです。

 

例えば、寿命。

江戸時代の平均寿命は30歳とも言われています。

感染症による乳児の死亡が大きく影響している

ようです。

 

例えば、江戸時代において、

更年期障害の症例が非常に少ない。

それは、その年齢まで生きる事が

できない方が多くいたと言えます。

尾台榕堂は、更年期障害を「血の道」と

表現して、わずかな処方を提示しています。

 

現代においては、どうでしょうか?

更年期障害でお困りの方は、たくさんおられます。

救命救急医によって助かる命も増えました。

栄養のある食事も摂ることができるようになり、

感染症から身を守る体力もついてきたのです。

現代においては、寿命も伸びた結果による、

更年期障害などの疾病が増えたと言えます。

気候変動の激しさより、気象病の方も増えました。

新たな問題です。

 

更年期障害の方が来られたら、

いつまでも

加味逍遙散+六味丸(腎虚)

加味逍遙散+黄連解毒湯(清熱)

このレベルの事をやっていたのでは

発展は無いのです。

 

漢方治療において、

新たなチャレンジが必要なのです。

故に漢方治療においても

クラシックをベースに

創造性豊かに感性を磨いて

更年期障害

気象病

婦人科疾患などに

新たな漢方治療を生み出して

いく時代なのです。

 

Lab collage

漢方コラージュ代官山

戸田一成

代官山 東京

Lab collage(漢方研究会)

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