Lab collage(漢方研究会) : 可能性は余白にある
研究会
☆漢方臨床においての行き詰まり
漢方内科・漢方薬局を開業して
数年が経つと多くの方は、
臨床に行き詰まります。
そこで、このような話を聞いた事があります。
kくんが開業して4年が経った頃、
うまくいかない症例について、
先輩に相談をしたそうです。
先輩から、「迷ったら基本に帰れと」。
なんともご尤もなアドバイスに聞こえるかも
しれませんが…..
全く的を得ていません。
臨床応用において、基本に帰っても、
何も解決策は出てきません。
先輩自身は、理論としての学習を
受けてきたのでしょうね。
方証相対を主にした古方、
臓腑弁証がメインになる中医学、
体質的分類の一貫堂。
皆さん、いろいろと学習されたと思います。
ところが、臨床の壁にぶち当たる。
ノートにもびっちりとメモが書かれています。
何度も読み返して、みた事でしょう。
しかし、次の一手が浮かばない…
☆外科において…
話は漢方から離れて、外科を見てみましょう。
30年ほど前は、外科において拡大手術が
主流でした。
その後、欧米で修行した医師が技術を
日本に持って帰ります。
縮小手術が始まるのです。
まるで反対の発想。
何故か?
患者さまの負担が圧倒的に軽く済む
からです。
入院期間も短く、回復が早い。
開腹せずに、腹腔鏡による手術が主流になります。
更に消化器内科では内視鏡による手術が
行われるようになります。
臓器が温存されることになり、
患者さまは更に術後の回復が早くなります。
そして、ロボット支援手術が導入されます。
ダビンチ・ロボット手術です。
このように外科では、飛躍的に技術革新が
起こってきます。
これは、「基本に帰った」わけではありません。
新たな「発想と視点」を持ったからなのです。
☆漢方に戻ります
漢方の領域においても、外科と同じなのです。
もう若いあなたならお分かりですね。
行き詰まった症例の次の一手?
今まで勉強してきた、
ノートをいくら読み返しても、
次の一手は出て来ないのです。
拡大手術から腹腔鏡そして内視鏡の手術が
生まれたように。
新たな発想が必要なのです。
それには、びっしりと書かれたノート、
そこではなく、「余白」にこそ問題解決の
糸口があるのです。
「新たな発想と視点を、余白に作る。」
その領域での勉強会がLab collageなのです。
Lab collage(漢方研究会)
戸田一成
代官山 東京