漢方研究会コラージュ ~トリセツ~
研究会
❖Kampo lab collage
Google 検索 「漢方研究会」
2022.7月時点で検索しますと、
Lab collageがほぼ一枚目に表示されます。
その結果もありまして、
問い合わせが多くあります。
関心を持っていただき感謝です。
皆さまには、どのような研究会なのか?
分かりづらいと思います。
そこで、ここだけは押さえて頂きたい
「根幹」
についての取説を、示したいと思います。
❖取説① どこを目指しているのか?
安土桃山時代の田代三喜から、日本漢方が
始まったとしまして、現在まで。
やはり最もホットな時代は江戸後期。
秀逸な漢方医がぞくぞくと出現します。
江戸中期、そのきっかけを作ったのは、
吉益東洞です。
吉益東洞の医説は、彼の後に続く人々に
よって、直ぐに変貌の道を辿り始めます。
例えば彼の嗣子吉益南涯が気血水の概念を
中心に新たな医説を構築するなど、
純粋に東洞流を行う人は急速に少なくなります。
そのなかにあって、東洞流を頑として曲げずに
市井の臨床医として生涯を送った人に芩少翁が
います。
その少翁の弟子に尾台浅獄がいます。
そして、この浅獄に学んだ吉益東洞流を展開
したのが、後にその養嗣子となった尾台榕堂です。
❖取説② 目指すのは尾台榕堂・経方理論
尾台榕堂の医術は、正に吉益東洞直系であり、
その代表的著書に『類聚方広義』があります。
尾台榕堂は現在の漢方医学に多大な影響を与えてる
という点でも極めて重要な漢方医です。
尾台榕堂は吉益東洞の医術を非常に
尊奉していましたが、広い視野の持ち主でもあり、
古今の医書を良く読んでいた形跡があります。
そして吉益東洞流直系として、
金元医学の骨子を成している内経理論に関しては、
全く理解を示しておらず、強く否定しています。
とりわけ『傷寒論』に関して、中国の中医師たちが
内経理論によって『傷寒論』を解釈していることに、
強い非難の目を向けています。
内経理論は単なる理論にしかすぎず、
実際の臨床において役に立つとは全く考えて
いなかった。
ここが榕堂の最も榕堂らしいところなのです。
尾台榕堂の著書『方伎雑誌』からの抜粋
「漢人は、素問以下明清に至るまで、腎は精を
造るといい、精を納むといい、八味丸を補腎剤と
している。いわゆる腎虚の症に用いて、腎を補う
最もの処方としている。
その議論診察、みな空断臆料にして、曖昧模糊の
治療である。固より弁ずるに足らず。
ひとり東洞は八味丸を利水の剤にして、補腎と
言うは誤りなり。」
榕堂は内経を空理空論として、
五行・臓腑弁証を全て実態を伴わないものとして
否定したのです。
❖取説③ 経方理論に主軸をおく
尾台榕堂の漢方の根幹は、経方理論にあります。
経方理論とは、単に『傷寒論』『金匱要略』
を出典とする処方を用いる流派を指すのでは
ありません。
日本漢方おける古方派とは、一線を画しています。
「経方理論とは、なに???」
張仲景が著した『傷寒論』を縦軸に、
『金匱要略』を横軸にして、
表裏内外というモノサシを用いて、
その構造を理解して実際の臨床に
応用する事にあります。
正しくLab collageの根幹は、
経方理論を学び実践する事になります。
榕堂の著作の中で『方伎雑誌』や『井観医言』
の中に数多くの治験例をあります。
記載は簡にして要を得て無駄が在りません。
複雑な症例でもスッテプを踏んで、
複雑ならないような工夫がされており、
治療に美しさがあります。
❖取説④ 治療に美しさを求める
治療における美しさは、結果に反映されす。
病態を明確に捉える事ができるのであれば、
余分なものは排除されて、シンプルになります。
病態の認識に曖昧さがあると、
解釈が複雑になり結果を出す事ができません。
そこには美しさがありません。
経方理論にある、シンプルそして美しさ、
そこを学んで行きたいのです。
千利休の言葉に
「華美なものより、不足しているものこそ美しい」
とあります。
引き算のできる漢方医ほど、
その治療は美しく結果が良いのです。
以上、Lab collageの取説の根幹について
述べてみました。
こんな感性にフィットする方、
Lab collageでの出会い、
楽しいかも...
漢方研究会 コラージュ
kampo lab collage
戸田一成
代官山 東京