研究会

『方技雑誌』尾台榕堂を感じてみた

研究会

確か30代の頃か、この書籍を読んだ。

しかし、何も感じる事が無かった経験がある。

40歳過ぎまでどっぷりと中医学にハマって

いたので当然である。

 

これは他のコラムにも書いたが、

何故こんなにも膨大な中医書を読んでいる

にも関わらず、治すことができないのか?

絶望にも近い感覚があった。

 

当時、常に注目をしていた漢方医が二人いた。

京都の江部洋一郎と名古屋の灰本元である。

この二人は常に臨床の結果を検証していた。

そして、その結果の検証に落胆して中医学を

捨てるのである。

中国伝統医学ではなく、

現代中医学をもって捨てたのである。

そして、二人は経方医学へと立場を変えた。

この刺激が自分を変える事となる。

 

そして今、『方技雑誌』を読むと感じる。

 

『方技雑誌』より、一部抜粋

 

「漢人は、『素問』以下、明・清に至るまで、

腎が精を造るといい、精を納むといい、

八味丸を補腎の剤なりとて、いわゆる

腎虚の症に用い、以って腎臓を補うの最とす。

その議論、診察、臆料にて、曖昧模糊の治療、

固より弁ずるに足らず。

八味丸は、利水の剤にて、補腎というは

誤なりとて、『薬徴』に弁ぜり。」

 

更に

「腎は、小便の濾し役なること、いちじるしきに、

漢人数百員、腎は、精汁を醸しなす職と

心得違い候て、陽道の衰えたるを、腎虚などといい、

また腎を補う薬と名づけ、腎を強壮にすれば、

陽事も盛んになるほどの、数説を費すこと、

気の毒、笑止千万に存じ候。」

とある。

 

同様に吉益東洞は、『医事惑門』中で

榕堂より更に激しく批判している。

 

日本の漢方界をみると、7割程度の方が

中医学を学習されてると思います。

 

Lab Collageでは、労力と費用をかけて

国際中医師の資格をお持ちの方が

4名おりますが、中医学理論ではなく、

経方理論の学びを希望されています。

 

吉益東洞から尾台榕堂の流れに、

漢方の神髄を感じる若い方が増えて

いると言う事なのでしょう。

 

恐らく日本の漢方界もこの流れに

なって行くと思います。

時代の半歩先を行くとは、

このようなことなのでしょう。

 

何故ならこんなにも多くの若い医師・薬剤師が

経方理論を学ぶために、

Lab collageに集まっている現実が、

証明してくれているように思います。

 

次のような質問をまま受けます。

 

「東洞→榕堂が漢方の神髄と言うなら、

なぜ?

中医学を学習されている皆さんは、

気づかないのでしょうか?」

 

ごもっともな質問だと思います。

 

あくまでもワタシの答えになりますが‥

 

「メアリー・カサット<麦わら帽子の子ども>

の作品があったとします。

 

立ち止まってみるような感性がある方は、

腎虚は空理空論と気づくでしょう。

そして、江部や灰本のように経方に軸足を

移すでしょう。

 

立ち止まる事なく、スルーされる年配の方々は、

何の抵抗もなく、腎虚→補腎→地黄丸を

疑う事はないでしょう。

ここは感性の問題なのです。」

このように答えております。

 

漢方研究会 コラージュ

Lab collage

戸田一成

代官山 東京

 

Kampo lab collage(漢方研究会)

 

 

 

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