コラム

ニキビ:繰り返す・治らない:漢方コラージュ代官山

コラム

皮膚科学からみたニキビ

 

ニキビになるまでは、いくつかの段階が

ありますが、最終的には「毛穴の炎症・化膿」

になります。

 

まず、ホルモンのアンバランスが起こります。

男性ホルモン・女性ホルモン・成長ホルモン

などのホルモン量が増えたり、バランスが

悪くなり、「皮脂分泌の増加」が起こり

ます。

皮脂自体は生理的に必要なものであり、

保湿成分を含み皮膚を乾燥しないように

保護する働きがあります。

皮脂は毛穴から連動する皮脂腺という

分泌腺から分泌され、毛穴を通って

皮膚へと広がります。

ところが分泌される皮脂の量が多いと、

「毛穴のつまり」が起こります。

毛穴が蓋をされた状態になり、

皮脂が目詰まりを起こしてしまします。

そうしますと「アクネ菌の増殖」が

起こります。

 

毛穴が目詰まりした状態の皮脂は、

細菌が増殖するためのかっこうの

エサになります。

この細菌のほとんどは、アクネ菌です。

アクネ菌は毛穴の中に常に存在しています。

毛穴が塞がっていない状態であれば、

酸素があるので増殖はできない性質があります。

ところが毛穴が目詰まりしていると、

酸素が無くなってアクネ菌が増殖できる

環境となってしますのです。

 

アクネ菌が増殖してしますと、

ついに「毛穴の炎症・化膿」が起こり

ニキビとなってしまいます。

 

ホルモンの乱れ

皮脂の分泌増加

毛穴の目詰まり

アクネ菌の増殖

ニキビの発生

 

皮膚科学的にみますと、

このようなメカニズムで

ニキビが発生します。

 

 

漢方からみたニキビ

 

それでは、ニキビを漢方的な思考で

みて行きましょう。

皮膚科学的な考え方から、

漢方的な考え方に変換して、

漢方治療を行う必要があります。

 

まずニキビは毛穴でおきます。

そうしますと、この毛穴で何が起こって

いるか?になります。

漢方で考える毛穴の働きは二つ。

 

一つは「汗」。

カラダが暑くなってオーバーヒートしそうになれば、

カラダの熱を外に出す意味で発汗します。

また、風邪にかかってゾクゾクと悪寒に

なりますと、体内の熱を外に逃がさない

ために毛穴を閉じて汗がでないようにします。

ここ毛穴と汗の関係は一見ニキビと関係が

ないように感じますが、専門的にはとても

関係があるのです。

 

もう一つは皆さんがご存じの「皮脂」です。

皮脂は皮膚が乾燥し過ぎないように、

適度な保湿成分(脂)を供給しています。

10代の血気盛んなお年頃は、皮脂の分泌も

盛んですが、加齢とともに皮脂の分泌も弱く

なり肌は乾燥してきます。

ですからお年寄りはニキビがありません。

 

この皮脂の分泌が何らかの異常を起こすと、

ニキビの発生となります。

過剰な皮脂の分泌ですね。

漢方では、この皮脂の分泌に「疏泄」

(そせつ)という働きが関わっていると

考えています。

身体の中の気の流れをコントロールする

のが「疏泄」になります。

疏泄が正常に働き気の流れがスムーズであれば、

皮脂の分泌も問題がありません。

ところがストレスを感じたり、月経に異常が

あると、疏泄が失調して皮脂の分泌にも

影響を及ぼします。

そして、ニキビの発生となってしまいます。

 

それでは年代別にニキビの発生の機序を

漢方的にみていきましょう。

 

10代の赤く化膿があり元気なニキビ

 

高校生になりますとニキビが発生してきます。

この年代では陽の過剰が皮脂の過剰に繋がります。

特に体育会系の男子は、陽の過剰+代謝が旺盛も

加わりますので、皮脂の過剰は促進されます。

赤くニキビができ初めの一週間ほどでしたら

十味敗毒湯を使用します。

更に経過して赤みが顕著になりますと、

清上防風湯が適応になります。

そして、化膿してきましたら黄連解毒湯の

出番になります。

また、ニキビが化膿してパンパンに張って

出口がない場合は、排膿散及湯が適応に

なります。

 

ストレスにより悪化するニキビ

25歳を過ぎて年齢を重ねていきますと、

陰陽の絶対量は減少していくに従って、

ニキビの発生は少なくなっていきます。

 

ところが20代から30代半ばにかけて、

ストレスでニキビが悪化する方がいます。

これは疏泄の失調により皮脂の分泌にも

異常が起こったためです。

そこで、疏泄の働きをスムーズにするために

用いられる処方が、四逆散・柴胡疏泄肝散・

柴胡桂枝湯などなのです。

 

月経で悪化するニキビ

月経がくるまえにイライラ感が強くなり

ニキビが悪化する場合があります。

この場合も疏泄が停滞して化熱してきます。

当然ニキビも赤くなり目立ってきます。

そこで、疏泄を巡らせて熱を冷ますために、

用いる処方が、加味逍遙散になります。

また、月経の経血の中に血塊が多く出て

ニキビも悪化する場合もあります。

これは瘀血が原因となっています。

瘀血を解消するために、桃核承気湯や

桂枝茯苓丸などを用いるのです。

 

便秘により悪化するニキビ

食生活や運動も見直さないといけません。

便秘が増悪要因であれば、大腸で気の滞りが

考えられます。

そこで用いる処方は、大黄甘草湯や

大黄牡丹皮湯または防風通聖散などに

なります。

 

お酒で悪化するニキビ

やはり節制は大事になります。

お酒によりてきめんにニキビが悪化する場合は、

湿熱という邪が原因と考えます。

そこで清熱の働きを持つ、黄連解毒湯や

半夏瀉心湯を用います。

 

このように、10代の頃の代謝が盛んな頃

のニキビから、ストレスや月経に関わる

ニキビ、そしてライフスタイルの影響による

便秘や飲酒により悪化するニキビなど、

その原因を的確に捉えて治療することが

ポイントになります。

 

漢方コラージュ代官山において、

一番相談の多いニキビは、

女性のニキビで以下の特徴があります

 

繰り返して治らないニキビ

10年以上続くニキビ

 

ほとんどの方が皮膚科を受診してまして、

最初に十味敗毒湯を処方されて、

改善が見られないようであれば、

荊芥連翹湯を処方されています。

そして、生理前に増悪するタイプですと、

加味逍遙散が処方されるケースが多く見られます。

しかし、六か月~一年間服用しても軽減せず

他の皮膚科を受診しても、結果同じ処方となる

場合を多く見ています。

皮膚科医で漢方専門としてのトレーニングを

受けてない方が多いためと思われます。

メーカーのマニュアルに沿って処方されるので

どこに行っても同じような処方になり、

効果が現れない現実があります。

 

女性で年齢が20歳~38歳。

ニキビがお困りで以下のような特徴

・手指や足先がとても冷える

・カラダの筋肉量が少ない方である

・胃があまり丈夫でない

・仕事柄、昼食の時間が午後2時以降と

遅い

・晩御飯も午後9時頃と遅く、

昼食と晩御飯の間隔が長い

・ニキビは活動性でないことが多く、

そのため化膿はなく、赤みも強くはなく、

元気のないニキビが出たり引っ込んだり

して、長期にわたり反復している。

・皮膚科での治療で改善されないため、

ニキビを諦めている

 

このような女性の方を多く診てきました。

漢方を専門としている医師・薬剤師ですと、

カラダの土台からニキビをみます。

カラダの気・血・水の流れなどが正常か?

また、漢方で考える臓腑の働きはどうであろうか?

このように、まずカラダが整っているのか?

そこから治療を考えていきます。

ニキビはカラダの問題点が皮膚に現れた結果

なのです。

ですから皮膚の表面に現れたニキビだけを

みて治療してもうまくいかないのです。

 

漢方コラージュ代官山では、

まずカラダを整える。

そこからニキビにアプローチします。

結果、ニキビの改善とともに、

冷え症や浮腫み、そして生理不順なども

解消されていくのです。

 

漢方コラージュ代官山

漢方研究会 コラージュ

代官山 東京

戸田一成

 

女性に特化した漢方

 

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