研究会

Lab collage A to Z Part Ⅰ

研究会

今回のコラムも、漢方に興味を持たれた

若い医師・薬剤師の方々が対象になります。

予めご了承ください。

 

時代の影響により、漢方の考え方

も変わる。

 

漢方の考え方や方剤の創製は、

その時代の政治・経済・生活環境によって、

当然のことであるが影響を受ける。

 

「コラム・歴史を経て名前が残る方剤は

名方なのか?」の中で、

「☆註解傷寒論から金元四大家」

で説明してあるが、もう一度

みると…

 

金元四大家とは、

1100年~1350年にかけて

新たな考え方を提示した

4人の医師達を指す。

 

・火熱論ー劉完素

・攻邪論ー張従正

・脾胃論ー李東垣

・相火論ー朱丹渓

 

いつの時代をそうであるが、

社会的な風潮では、

節度の超えた色欲がみられたり、

肉・魚・酒などの飲食物の過度、

または戦争などのよって身体が疲弊したり、

自然災害によって食料が不足し栄養が十分

でなく、そのために感染症が蔓延したりと、

その時々の社会情勢によっても、

漢方の考え方は影響を受けるのである。

 

また、医学界の風潮によっても、

漢方の考え方は影響を受ける。

朱丹渓の時代、当時の医学会は『和剤局方』

をただ機械的に運用している状況があった。

その弊害は、辛香燥熱の剤の濫用が、

陰精を損傷させている原因の一つと

訴えたのである。

そして、朱丹渓は「陽有余陰不足」の説を

提示するのである。

 

このように、社会的または医学界において

その時代におきた事が、漢方の考え方

にも反映されて来たのである。

 

方剤のスタートは傷寒論・金匱要略

から始まる

 

傷寒論・金匱要略にある方剤は、

張仲景が創製したのである。

ここに提示された方剤を経方と呼ぶ。

経方と呼ばれる方剤の構成は、

薬味の数が少なく、

実にシンプルである。

後世になって登場する方剤の多くは、

経方を原型として作られていると

言っても過言ではない。

 

 

傷寒論・金匱要略を出典とする方剤が

経方であり、そこからスタートして、

その時代のニーズに答えるべく、

経方からデコレーションされた方剤が

出現する。

 

・独活寄生湯(千金方)組成15味

・防風通聖散(宣明論)組成17味

・芎帰調血飲第一加減(一貫堂)組成21味

…あげればきりがない。

このように一つの方剤に使われる

生薬の数が非常に多くなる。

現在の中国における中医師も

その傾向はある。

盛りだくさんの方剤である。

 

これは漢方における方剤だけでなく、

生活様式を見ても同じような経過を

辿ることになる。

物がない時代から生活が裕福になれば、

全てにおいて装飾がなされるのである。

結果、漢方の方剤においてはデコレーション

された方剤を使う機会が多くなり、

生活においては、物が溢れた状態になる。

 

現在の社会的な風潮の流れ…

 

そして今の時代…

人間にとって都合の良い大量生産

そして大量消費は終わろうとしている。

組成の数の少ない方剤である経方から、

デコレーションされた多味の方剤

が多く使われている現実と一致する。

 

新たな風潮として…

自然環境や人間社会などが長期に

渡って、機能やシステムが失われずに

良好な状態を維持させていく考え方に

移行している。

サステナビリティ」である。

これは社会の中のあらゆる分野で

の話である。

漢方薬においても然りである。

 

そして、消費者においても、

社会や地球環境、地域のことを

考慮して良識的に考えるように

なった。

エシカル消費」である。

 

このような考え方が浸透していく中で、

これまた漢方界だけが、

旧態依然とて存続するとは考え難い。

必要最低限の生薬により構成された方剤

に立ち返るのは、時代の流れなのである。

 

合わせて感性の高い方は、

丁寧でシンプルな生活」を望んでいる。

クライアントの要求は時代とともに

変わると述べてきた。

 

時代は必ず移り変わる。

世界的にサステナビリティに

関心が集まり、

人々はエシカル消費にシフト

し始めている。

この流れは間違いない。

 

そこでどうだろうか?

社会的な風潮が漢方にも

反映されるのであれば、

今経方に立ち返る事が、

時代の流れであり、

クライアントの要求

に沿うものであると思うのだが…

 

Lab collage A to Z    PartⅡ

において、その本質に迫りたい。

 

Lab collage

代表 戸田一成

 

Kampo lab collage(漢方研究会)

 

 

 

 

 

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