研究会

『医事惑問』 今の漢方界を問う

研究会

『医事惑問』巻上

「一 或問曰、医家の分かれたる事いかん。

答曰、古書、医者三あり。

曰、疾医、曰、陰陽医、曰、仙家医是なり。

 

周礼に所謂疾医は病毒の所在を見定、

その毒に方を処て病毒を取去ゆへ、

諸病疾苦、尽く治す。

扁鵲・仲景のする所是なり。

 

陰陽医は、病の所在をみず、唯陰陽

・五行相生相克・経絡等を以て病を論ず。

皆臆見ゆえ手に取って治する事あたはず。

漢の太倉公是なり。

 

仙家医は気を煉、或は煉丹を服し、人をして

造化にひとしくせん事を学ぶゆへ、

行く人すくなく害もすくなし。

葛洪・陶弘景・孫思邈等是なり。

 

夫れ疾医は万病一毒といふ事を疑なく会得し、

此薬方にて此病毒解するといふ事を心に

覚るゆへ、病治せざる事なし。

 

陰陽医は五臓六腑・陰陽・五行相生相克の事を

書籍にて覚え、理を以て病を論じ、

手に覚ゆる事なく、臆見にてするゆえ、

却て其術なしやすきやうにはあれど、

実に病を治する事あたはず。

 

其陰陽医さへ病を治する事あたはざるに、

陶公景・孫思邈の類、専ら仙家の術を学び、

陰陽医に仙家の方を混じたり。

是を今の医中奥の医と尊信するゆへ、

いよいよ扁鵲・仲景の道絶、其の後、

一書一一人、疾医の道をずる事を聞かず。」

このようにある。

 

東洞は、正しく今の日本の漢方界の問題点

をすでに指摘しているのである。

今から40~50年前、中医学の導入と伴い、

日本においても陰陽医が増産された、

ところが中医学に根拠を求めた、優秀な

京都の江部医師や名古屋の灰本医師の

グループは、自ら陰陽医を辞めたのである。

そして、経方医学に根拠を求めて疾医に

転向したのである。

若い医師・薬剤師の方々には、この時代の

流れを正確に読み取って頂きたいのである。

昭和の時代は終わったのである。

こらからの未来がある方々、今の時代の

トレンドはどこにあるのか?

そこを感じてもらいたい。

漢方研究会 コラージュ

代官山 東京

戸田一成

 

 

 

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