コラム

にきび 漢方薬 その四

コラム

ニキビでお困りのWさんが、漢方相談

に来られました。

Wさんは36歳の女性で、主婦の方です。

身長は165cm、体重は52kgです。

 

☆Wさんのニキビ

顎から頬にかけて面皰が散在しています。

色は紅~やや暗紅色です。

化膿はありません。

 

☆Wさんのニキビ 発症要因

学生の頃より、ニキビが気になる事も

ありましたが、少し経つと自然と消失

していました。

四年前に子供を出産してその後の生理に

変化が現れた頃からニキビが気になる

ようになりました。

生理の周期は、28日~30日でほぼ順調。

生理の期間は、最初の3日~4日しっかり

あって、後は1日~2日で終わります。

生理痛は、軽くある程度です。

3年ほど前より、生理の量が少しづつ

増えた感じがあります。

そして、生理の中にレバー状の血塊が

気になるようになりました。

その頃より、ニキビが出るようになりました。

婦人科を受診しました。

子宮の筋肉内部に小さな筋腫があることが

分かりました。医師より経過をみていけば

良いとの話でした。

幸い貧血になる状態でもありません。

 

その他の全身症状としては、

足は冷えるけれど、顔がのぼせる傾向に

あります。

足が特に冷えたときは、顔のぼせも強く

なるようです。

あとは最近、ぶつけた記憶がないのに、

足やお尻にアザがあることが気になります。

ふくらはぎに細かいクモ状血管腫があります

 

☆Wさんのニキビ 漢方治療

Wさんのニキビは、産後の生理の変化と関係

があります。

今から1800年前に書かれた書籍を見てみましょう。

『金匱要略・婦人妊娠病編』に、

「婦人、宿癥病有り、經断ちて未だ三月に及ばず、

而も漏下を得て止まず、胎動きて臍上に在る者は、

癥͡痼の害と為す。

妊娠六月にして動く者、前の經水利する時は、

胎なり。下血する者は、後断ちて三月の衃なり。

血止まざる所以の者は、其の癥去らざるが故なり。

當に其の癥を下すべし。

桂枝茯苓丸之を主る。」とある。

本条は、癥病と妊娠との鑑別点について述べて

いる。ここで言う癥病とは、女性において

瘀血が停滞して有形の塊を指している。

Wさんの病症で言えば、子宮の筋層内にある

筋腫と考えて頂いて良い。そのために、

生理の中にレバー状の血塊が存在する。

漢方ではこれらの現象を、瘀血と言っている。

Wさんが訴える、冷えのぼせ・アザができやすい

・クモ状血管腫なども、瘀血の所見なのである。

そこで、Wさんには煎じ薬で桂枝茯苓丸を処方

しました。二ヶ月間服用した頃より生理の時の

レバー状の塊が小さくなってきました。

さらに継続して服用を続けていくと、四回目の

生理では多かった生理の量も落ちついてきて、

レバー状の塊はほぼ分からない程度になりました。

生理の状態が改善されると伴に、ニキビも

目立たなくなりました。

冷えのぼせも良くなり、都合半年間服用して

廃薬としました。

カンポウ コラージュ

漢方研究会 コラージュ

代官山 東京

戸田一成

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