研究会

漢方研究会コラージュ:今、漢方研究会に求められている事。

研究会

昭和、平成、令和と漢方研究会も変化して来ました。

どのような変化があり、今何が求められているので

しょうか?

昭和・平成の時代の漢方研究会は、以下のような

パターンが多かった現実があります。

毎月日曜日に開催

・概論と歴史

・気血津液

・五臓六腑

・病因病機

・四診

・八綱

・治則と治法

・方剤

・薬物

このようなカリキュラムで4~6年で終了。

 

☆中医学の導入

日本に導入された当時は、中国本土で行われている

カリキュラムをそのまま日本に移植した形が多かった。

それは今から40年ほど前の話である。

当初は日本語のテキストは無かったため、

当面の目標は中国語の翻訳であった。

内容を理解し、臨床の実際に応用するのは、

もう少し後のことである。

昭和の時代においては、このように体系化された

カリキュラムはとても魅力的だったのである。

 

☆中医学の全盛期と陰り

中医学の導入は、関西圏で盛んに行われた。

神戸・京都・大阪・名古屋である。

関東は、古方・後世方の日本漢方である。

中医学導入から15年ほど経ったころから

変化が現れる。

特に京都・名古屋の医師のグループが、

中医学理論を臨床の実際において、

効果があるのか?根拠を求めたのである。

それも統計学的に基づいたデータを

提示したのである。

その結果は落胆する事となる。

このデータが全てではないが、立ち止まって

自らも検証した漢方医も多かったと思われる。

そして、中医学から離れた医師も多いのも

事実である。

例えば京都中医学研究会の江部洋一郎先生は、

中医学から経方医学へと変化していった。

名古屋百合会を立ち上げた灰本元先生も

中医学から経方医学に立場を変えたのである。

もはや中医学は時代のトレンドからずれていると

言わざるを得ない。

 

☆そして今求められる事

中医学が導入された役割は非常に重要である。

そして、その理論が臨床において検証されて、

更なる結果を求めるのが今でないだろうか。

 

某中医学講座を数年にわたり受講してきた

方々が数名入って来られた。

カンファランスがあったので、受けて頂いた。

解答用紙がほぼ白紙、、であった。

これは、何を意味するのか?

白紙解答をみて、非常に悩んだのである。

そして分かった事がある。

この方々は、中医学理論はしっかりと

理解しているのである。

しかし、目の前の患者さんを見ての

トレーニングを受けていないので、

患者さんの何処を見たら良いのかが

分からないのである。

例えば素体実証とか、素体虚証とか見る時、

どこの何を見て判断するのかのモノサシが

ないのである。

常に臨床にリンクするレッスンを受けていないため、

患者さんを前にするとお手上げなのです。

大塚敬節先生は、『傷寒論』を患者さんの

腹の上で読めとおっしゃた。

理論は常に臨床の実際にリンクさせながら、

レッスンを行うことが、

今求められている事のように思う。

 

ここは感性とかセンスの問題になるのですが、

トレーニングによって培われていくのです。

 

漢方研究会 コラージュ

漢方コラージュ代官山

戸田一成

代官山・東京

 

Kampo lab collage(漢方研究会)

 

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