研究会

漢方研究会 コラージュ 過去のカンファランス

研究会

過去のカンファランス

2016 Oct.「難治性泄瀉」

2017    May.「気象病に伴う偏頭痛 Ⅰ」

2017 Oct.「気象病に伴う偏頭痛 Ⅱ」

2018 May.「後鼻漏と多痰」

2018 Oct.「気象病に伴う偏頭痛Ⅲ」

2018 Nov.「産後の不正出血・帯下」

2019   May.「起床時の手指の痺れ・痛み」

 

★カンファランスを行う目的として、

コラージュの学習方法として、

「流動的に病態を可視化」

するトレーニングを取り入れております。

パターン化・硬直化した弁証論治では無く、

常に病態は時間経過で動いて行く、

このように流れの中で「見える化」して

行く学習方法が必要と考えています。

「可視化」とは、

「どこで、何が、起こっているのか?」

ということになります。

実際の患者さんに来て頂き、

「流動的に病態を可視化」する

トレーニングを行っています。

ご興味のある医師・薬剤師の方、

ご連絡をお待ちしております。

 

★2019.5 第七回 カンファランス

女性 50歳 166cm 50kg

主訴

「起床時の手指の痺れ・痛み・浮腫み」

整形外科にて精査するも原因不明の症例

この病症をどのように「可視化」していくのか?

そこのトレーニングを行ないます。

*ポイント

今回は「観察力」、ここがポイント。

カンファランスに協力頂く方を、じっくりと

観察する。ご本人から病症についての説明が

あります。そうしますと、観察により得られた

事と、病症の説明とが整合性が取れない。

ここをどのように可視化するのか?

現実の臨床とは、このような事です。

 

★2018.11 第六回 カンファランス

女性 35歳 155cm 50kg 料理研究家

初診 2018.7.11

主訴:産後の不正出血

2017.2月 出産(特に問題は無し)

2017.8月 生理再開  15日間隔で生理がくる

(2サイクル) 授乳終了

2017.9月~2018.2月

生理周期 29~31日

この頃は不正出血なし

 

2018. 3月

基礎体温表を付け始める

・低温期は高め、高温期は低めで

温度差があまりない

・高温期の切り替えがダラダラと

(7日間くらいかけて)体温が上昇

してくる

☆困った病症

・生理初日は出血量が多く3日目頃

より量は少なくなってくるが、

10~14日ダラダラ出血が続く。

・不正出血が排卵日を過ぎた頃

3日間くらいある。

・周期が28日や35日

(不正出血があると35日に延びる)

 

全身所見

※冷え性(強)冬は湯たんぽ使用

※肩こり(強)

大便 2~3日1行 普通便

小便 日中5~7行 夜間尿0

口渴口乾 自覚無し

飲量 普通

食欲 普通

食量 普通

他 特に無し

2018.7.11 漢方Collage受診

 

問題.1  病態を可視化して、

適切な処方を述べよ

 

二診 9月9日

第一処方で不正出血は無くなった。

 

次に困った病症

・生理周期が34日と長い

・帯下に混血

・8月から下肢が浮腫む(中)

・夏のエアコンの冷気で風邪を引きやすい

 

問題.2 病態を可視化して、

適切な処方を述べよ

漢方研究会 コラージュ 代官山 東京

 

★2018.10 第五回カンファランス

女性 23歳 173cm 65kg オフィス業務

初診 2018.3.17

主訴:気象病に伴う片頭痛+身体の動揺感

+月経痛(強)

現病歴

☆10歳の頃より、雨が降り出す前に頭痛となる。

但し頭痛からの嘔吐は無い

☆二年前より、歩いているとふぁふぁする事が辛い。

其の時、目の奥が重く感じる。+耳鳴り、耳閉感。

(内科で精査するも、異状なし。血圧 100/60 低い)

 

全身所見

☆冷え性 足首から先が冷える(中)

☆浮腫み 下肢 (中)

大便 一日一行 普通便

小便 日中6行 夜間0

口渴 オフィスが乾燥しているためか、

喉が乾く。

飲料 多いー普通 常温~熱飲好む

食欲 普段は普通。

但し夏はかなり食欲が落ちて、食べられなくなる。

無理して食べる、梅干し+白米。

但し、体重はほぼ変わらない。

夏のアイルランドでも同じ。

夏でもハワイやスペインでは食欲が落ちない。

※東京での夏の食欲減少は、今から5年前

ウインドサーフィンを止めてから

起こるようになった。

食量 普通(夏は上記)

 

☆月経 周期28日 順調

期間 1-2日はしっかりあり ・・・5日で終了

☆痛み 強い バッファリン2錠/日

量  多い~中程度

血塊 多い

☆生姜―味がダメ

 

戸田コメント

今回の症例は、気象病に伴う片頭痛が

主訴であるが、身体の動揺感や痛経も

困った病症である。

まずこの方の病態を可視化する。

それによって、どのような手順で

治療を進めていくかが見えてくる。

困った病症を一括で処理するのか?

段階を踏んで治療していくのか?

可視化を試みることで、最善の治療が

導き出される有意義なカンファランス

であった。

漢方研究会 コラージュ 代官山 戸田一成

 

★2018.5月 第四回カンファランス

症例 男性 55歳 173㎝ 71kg

初診 2018.1.12

主訴 後鼻漏

一か月半前より、非常に大量の鼻水が

絶えず降りてくる。

70%は透明の鼻水。

30%は白末の鼻水。

鼻の奥の熱感はない。

呼吸器内科 胸部CT 客痰検査 異常なし。

耳鼻科 内視鏡検査 アレルギー検査 異常なし。

レントゲン検査にて、軽度の副鼻腔炎あり。

(各科西医による後鼻漏の原因は不明。)

 

増悪要因

気温低下で悪くなる。

お酒によって確実に悪化する。

禁酒、睡眠時間、疲労と後鼻漏は相関関係にある。

 

全身症状

持病もなく、特に症状はなかった。

普段暑がりの方であったが、後鼻漏が気になり

だしてから、寒さを感じるようになり、

夜間でも暖房を入れて寝るようになった。

脈診・舌診の確認。

 

☆問題.1

ここまでの病態を可視化して、

適切な処方(第一処方)を述べよ。

 

二診

1月19日 上記処方の服用で、後鼻漏50%減

その後第一処方を2月10日まで継続服用。

後鼻漏が気にならなくなる

但し、鼻の奥が乾燥するようになった。

血痰がでる。就寝中、口の中がカラカラに乾燥する。

 

主訴(第二):粘痰

主訴詳細

後鼻漏が気にならなくなったら、

胸部に粘痰が引っかかりとても辛い。

粘度が高いので、咳払いを強くしないと

出ない。結果、胸部の筋肉痛になる。

粘りつく痰、白~クリーム色~黄色の塊。

生臭いときあり。

この時点で後鼻漏は、70%減。

痰のへばりつき感と同時に、咽喉部の緊張感が強い。

天空あたり~胸骨に沿って5cm位の所に、

痰の絡みと痛みがある。

後鼻漏が減って上が落ち着いて、

下の辛さが明確になる。

 

☆問題.2

ここまでの病態を可視化して、

適切な処方(第二処方)を述べよ。

 

2月24日

第二処方7日分で、痰の切れが格段に良くなる。

その後、水分量の多いビールやハイボールを飲むと、

痰の量が増えて悪化する。

この時点で、耳鼻科・呼吸器内科にて精査するも異常なし。

 

3月31日

継続服用で痰の量・粘度が半減する。

咽喉の渇きを訴えるため、

第二処方に加減した。

 

☆問題.3

その後の病態を可視化して、

適切に加減した処方を述べよ。

 

5月4日 痰の量・粘度、90%減。

以降、生活習慣の改善を気を付けることに、

注意して行きながら様子をみることにした。

 

主訴は後鼻漏であったが、第一処方の服用で

症状が軽減したが、胸部に粘痰が気になり

辛くなる。ここの流れを可視化する事に

より、第二処方を用いる根拠が明確に

なった。その後、適切な加減によって

ほぼ症状が気にならなくなった。

但し今回の症例は、生活習慣がどのように

保たれるのかが今後の課題である。

 

漢方研究会 コラージュ 代官山 戸田一成

 

★2017.10月 第三回カンファランス

主訴:気象病に伴う片頭痛・Ⅱ

~低気圧・台風が九州付近に接近すると頭痛発生

また、北からの降りてくる爆弾低気圧でも発生

このような病症がある患者さんに参加頂き

漢方研究会 コラージでカンファランスを行った。

 

男性 46歳 174cm  58kg 体温36.2 血圧125/80

☆現病歴

5年ほど前から、月に一度程度頭痛。

昨年頃より、発症頻度が増え、発作の日数が

長くなる。

5年前は月に一度、その後月に2度、

最近は週に一度位頭痛になる。

脳神経外科にて検査、異常なし。

胃カメラ、異常なし。

漢方研究会 コラージとしては、現代医学的

な検査は積極的に進めている。

器質的疾患の有無の確認は必要である。

 

☆痛みの発生

低気圧が近づくと痛みが発生。

雨が降ってしまうとそうでもなくなる。

典型的な気象病である。

☆痛みの感じ

締め付けられるような痛み~ズキズキと

強い痛み。

☆痛みの部位

痛みは決まって左半面。頭頂部あたりが痛む

事多い。発作の前に、閃輝暗点あり。

☆発作時

日数は、2日程度。

但し、1日は横になっていたい。

嘔吐を伴うときもある。

一旦発作が起こると、悪心のため食事

や水分を欲しない。

普段は便が硬く便秘傾向だが、

発作時は便通が良くなる。

頭痛時には、手足の冷えを伴い、

布団に入っても手足はなかなか温まらない。

発作時はいつも悪心があり、昨年より嘔吐を伴う。

生唾がよくでる。

胃部に痞えを感じる事がある。

このように気象病の患者さんは、胃に症状が

出やすい傾向がある。

このような病症について、実際の患者さんより

症状の程度や質感について話て頂くのは、

漢方研究会としてとても勉強になる。

 

☆これまでに服用した漢方薬エキス

呉茱萸湯 半夏白朮天麻湯 釣藤散

小半夏加茯苓湯 真武湯 桂枝加芍薬湯

これらを服用したが改善しない

 

問題.1 病態を把握し、可視化(流動的病態論)して、

適応方剤をなるべく薬味・量で述べよ。

 

☆28年4月より服用を開始。

継続して、29年4月まで、毎日休むこと

なく服用。

結果、服用前の痛みのレベルを10とすると、

29年4月の段階で、4~3となる。

 

ところが本人より、再三に渡り病症の

訴えがあった。

現処方の服用で軽減するからと、

軽く考えてしまった。

ここを深く掘り下げて考える必要があった。

ミスである。

 

☆再三の訴えの病症

頭痛発生時、気持ちが悪く水が一滴も

飲めなくなる。

12~24日時間時間の間水が全く飲めない。

必然的に脱水となり、濃い尿・血尿となる

12~24日時間時間経過後、やっと、ちょっと

ちょっと水が入るうようになる。

少しずつつ水が飲めるようになると、

濃い尿が出て、頭痛も軽減し、普通に戻る。

気象病としてはかなり重い症状である。

 

問題.2「再三の訴えの病症」の病態を

把握し、可視化(流動的病態論)して、

適応方剤をなるべく薬味・量で述べよ。

 

このような流れで病態の可視化の

トレーニングを行いました。

漢方研究会 コラージュの特徴は、

「病態の可視化」にあります。

実際の患者からの訴えにより、それぞれの病症の

程度の違いも明確になり、病症と脈・舌診の

整合性も含めてとても実りのある

症例検討になりました。

 

☆どのように気象病を可視化をしたか?

2017年10月の漢方研究会 コラージュの

カンファランスにおいて、

第一処方は苓桂朮甘湯+生姜・乾姜・附子。

配合量は、茯苓10g・桂枝5g・蒼朮5g

・甘草1,5g・生姜(自己調整)・乾姜4g

・附子2g

この配合で一年間服用した。

頭痛の痛みが一番強かった時を10とすると

4~3に減少した。

 

しかし、よく病症について確認をすると

頭痛の発作が起きて12時間ほど水が一滴も

飲めない。これは、脱水の状態にある。

点滴が必要な状況であるが、身体を動かせない

そして口渴がない。

この状態が頭痛と共に12時間続いた後、

少しづつ水が飲めるようになると、しばらく

してドロッと濃い尿が出て、頭痛が消失する。

 

ここで処方を加減するのだが、まず口渴がない。

そして一番の苦痛である嘔吐を止めるには、

どうしたらよいのか?

水が一滴も入らないのは、胃に水がいっぱい

になっているのでそれ以上は入らないと

可視化した。

本症例の気象病は、頭内と胃に「飲」が大量に

あると考える。

故に嘔吐して気持ちが悪くても水が

入らないのである。

このように漢方研究会 コラージュは、

病態を見える化する事によって、より

理解が深まると考えています。

 

『金匱要略・嘔吐噦下痢病篇』の茯苓沢瀉湯

の条文に、「胃反し、吐して渇し、水を飲まん

と欲する者は、茯苓沢瀉湯之を主る。」とある。

この条文をベースに考えたのだが、この症例は

渇していない。

ところが茯苓沢瀉湯の服用で、頭痛が軽減

している。

ここをどのように考えて、可視化したらよい

のであろうか?

『金匱要略・痰飲咳嗽病編』の小半夏湯の条文に、

「嘔家本渇し、渇する者は解さんと欲す、

今反って渇せざるは、心下に支飲有るが故也、

小半夏湯之を主る。」とある。

この条文を読むと今回の症例と合致するように

思える。しかし、今回は半夏を使っていない。

半夏・生姜を用いるときは、何らかの状況で

普段から胃に溜飲がある人である。

小半夏湯は「嘔吐噦下痢病篇」では無く、

「痰飲咳嗽病篇」にある。この処方は、

普段から胃内停水などの胃に飲がたまって

いる事が条件になる。

一方、今回の症例では気圧が下がった時に

だけ胃に飲が溜まっている。

茯苓沢瀉湯の条文は、飲が胃にあった

のでは無く、身体に水の偏在がある状態を

言っている。実際、胃に飲がある時の事は

書かれていない。

つまり、もし全身水の偏在があり、胃に水が

無ければ、口渴が出て五苓散の適応となる。

五苓散は、このように偏在している水を

膀胱を経由して外に出すことで水の偏在

が解消されるのである。

一般的に気象病に伴う片頭痛に、五苓散が

適応と書かれているのは、この理屈による。

しかし、この症例を治療するのには、

気圧が下がった時にだけ、頭と胃に

飲が溢れ出てきてしまう事に着目しなければ

ならない。つまり、筋ポンプ理論を使って

考えると、大量の飲を痰に返す事になる。

そうすると、蒼朮・茯苓は必須である。

結果、本症例の適応処方は、

茯苓沢瀉湯+乾姜・附子になる。

従来の中医学・弁証論治では、身体の中で

起こっている事は、ブラックボックスである。

漢方研究会 コラージュでは、病態を可視化

する事によって、身体の中で何がどうなって

いるのか?そこを明確にしたいのです。

 

漢方研究会 コラージュ 代官山 戸田一成

 

★2017.4月 第二回カンファランス

主訴:気象病に伴う片頭痛Ⅰ

女性 63歳 164㎝ 49㎏ オフィス仕事

☆病歴 10代の頃から現在まで

◎強力な冷え性

子供の頃からの冷え性で、

湯たんぽを使用しても温まらない。

中・高校生の頃も、足が冷え過ぎて感覚がなく

お風呂のお湯で解凍する感じ。

◎起立性低血圧症のため、朝礼の時は長い時間は

立っていられなく、保健室のベットで

休む事が多かった。

 

・運動も少し長く続けると、バテてしまう。

・人込みや空気の悪い所では、血圧が下がってしまう。

・朝起きるのが苦手

・電車の中で立っていられなくなる

・寒暖の差が苦手。晴天の日中でも、太陽が当たる所と

日陰で涼し所の差が身体にこたえる。

 

☆現病歴

・頭痛→嘔吐  25歳の頃から始まる

疲れやすい、だるい、低血圧で動けなくなるなどが頻繁。

通勤途中で気分が悪くなり、駅員室で休ましてもらう事が、

多かった。

激しい頭痛+嘔吐。

嘔吐が激しく、救急車で運ばれて入院歴あり。

冷えのためか背中が凝って痛む

 

☆治療歴

・50歳の頃、某医大付属東洋医学研究所にて、

呉茱萸湯や当帰芍薬散エキスを処方される。

冷えは楽になったが、頭痛+嘔吐は軽減しなかった。

・神経内科にて、予防薬(デパケンなど)を

服用するも効果なし。

マクサルトの処方にて対処し現在に至る。

 

☆頭痛の詳細

雨の降る前日や大気の状態が不安定などで、

頭痛の予兆を感じる。

激しい痛み→嘔吐となる。

 

☆全身所見(漢方コラージュ初診時)

◎冷え性 強い

◎体温34度~35度

◎低血圧 110~80/65~55

◎起立性のめまい あり

◎疲れやすくて、動けなくなる。

・大便1日2~3回 普通便

・小便日中9~10回 夜間0~1回

・浮腫み(-)

・食欲 あり 正常

・食糧 普通より少ない

・水分の摂取 正常

・不眠

 

☆漢方コラージュ 初診時

・頭痛の強さ 10/10レベル

・マクサルトの服用頻度 6~9回/月

 

☆煎じ漢方の服用で改善した事

◎頭痛の頻度・嘔吐の頻度・痛みの程度が改善した。

それに伴い、マクサルトの服用頻度が月に3回に

減った。

◎天気の影響が受けにくくなった。。

(20年ぶりに神奈川県に墓参りに行けたり、

友人と食事に出かける事もできた。)

◎食欲が増した。食糧が増えた。(むらがあるが)

◎全体的にだるくて動けないことが改善した。

◎冷え性に関しては、冷えが楽と感じる時が出てきた。

◎昨年の夏に、アイスクリームを食べたくなって食べた。

(冷えが強い時は、考えられない)

 

このような情報提供のもとに、

脈・舌診を行い、参加者より

質問などの確認しながら、

「気象病に伴う片頭痛」の可視化の

トレーニングが行われた。

漢方研究会 コラージュ 代官山 戸田一成

 

★2016.10.26  第一回 カンファランス

症例 152cm 42㎏ 会社員 初診23年4月6日

主訴:泄瀉

☆泄瀉の状態

毎日水溶性の下痢が2~3回ある。臭気は無い。

(消化器内科にて、大腸内視鏡・腹部エコー等

精査するも異常なし。)

☆増悪要因

身体が冷やされる事が一番よくない。

夏の電車やスーパーなどエアコン。

また、冬の強力な寒気。

☆全身所見

とにかく強力な冷え性。

お風呂に入っても身体が寒い。

冷えすぎて眠れない。眠れないので、

朝方新聞配達の人が来るのが分かる。

食欲はあるが、食量は少ない。

嫌いな食べ物:肉類、こってり・カロリーの高い食事。

好きな食べ物:野菜、青魚、みかん。

◎浮腫む(中~強・程度)手指と膝下。

◎高校生の頃から、身体がふあ~グラットする。

○軽く悪心を感じる事がある。

○軽く梅核気(食べ物が咽喉に残っている感じ)

小便は日中6~7回。夜間は0回。

飲酒(-) タバコ(-)

 

ここまでが患者さんより、自分の言葉で

述べて頂きました。

受講している医師・薬剤師は、次のがような

事を確認をしました。

今回の漢方研究会として非常に有意義だった

ことの一つに、「とにかく強力な冷え性」

について、受講者全員が患者さんの手先や

足先に触れてどの程度の冷えなのかを、

体感できた事です。

実際に患者さんからとても冷えが強いと

訴えがあっても、触れてみるとそれ程での

ない事があります。

どちらかと言えば冷えますとお話しを

されて、実際に確認するととても冷えてる

事もあります。

これは、言葉だけでは伝わりにくいです。

冷え性の方は血色も良くありませんが、

顔色・唇の色はどうなのか?

また、手指と膝下が浮腫むとの訴えも、

どのような程度の浮腫みなのかを、

そして浮腫みの質感(柔らかい・硬い)

なども、確認が出来た事も今回の漢方研究会

として大きなメリットだったと思います。

 

本人からのコメント

・本人は元気なのに顔色が悪いとよく言われる。

・気温が低いときに、手がとても冷たくなって

しまうので、回りの人たちに「さわらないで!」

とよく言われる。

・お風呂は熱めの温度。

・中学生の頃からのババシャツ愛好家。

・電車は「弱冷房車」、それでも寒いと感じるので

上着を着るようにしている。

・真夏以外は羽毛布団を愛用している。

・コート、手袋、マフラーなど防寒具を

身に着ける時期は早い。

・電車で文字を読むと気持ちが悪くなる。

(現在は読める)

・電車の進行方向と反対の座席は座れない。

気持が悪くなるため。

 

このような訴えも通常の漢方研究会では

文章としての認識になるため、その都度

患者さんに質問ができません。

カンファランスでは、受講する側がいつでも

納得いくまで質問ができる事は、メリットが

あります。

処方前の生薬の香り・味の確認

桂枝―× 生姜―○ 乾姜―○ 蘇葉―○ 川芎―○

甘草―△―なるべく少ないほうが

☆脈診

☆舌診

今回の漢方研究会で議論になったのは、

舌診でした。

舌苔については薄い白でこれは問題

ありません。舌形・舌色につきまして

舌辺に歯痕が明確にあり、この所見を

今回の症例の主訴である通年性泄瀉に

どのように反映させて解釈するのかに

ついて洋々な議論となったのは、

漢方研究会として非常に良かった事です。

患者さん本人からの症状の訴えは、

その苦痛の程度を知る意味でも紙による

問題を解くことより、とてもリアルで

これからの漢方研究会にはカンファランス

は必要不可欠な事と認識しました。

 

また、漢方研究会 コラージュとして

の学習方法として、「流動的に病態を可視化」

するトレーニングも取り入れております。

パターン化・硬直化した弁証論治では無く、

常に病態は時間経過で動いて行く、

このように流れの中で見える化して行く

学習方法が必要と考えています。

今回のカンファランスでの主訴:泄瀉での

可視化について簡単に説明してみましょう。

「可視化」とは、

「どこで、何が、起こっているのか?」

ということになります。

泄瀉とは、大便が固まる過程での要素を

可視化する事です。

臨床の実際では、以下の三つに分ける事が

できます。

1.腸内の津液・水 量(多い 適正 少ない)

2.腸の動きのリズム(過剰 適正 弱い)

3.腸内の寒熱

今回の症例では、3.腸内の寒熱が問題に

なります。

腸内の津液を片栗粉に例えてみますと、

症例は非常に強い冷え性です。

あまりにも冷えていると片栗粉は、

固まらず下痢になる。

このように可視化できます。

結果、腸内を温めれば良い事になります。

処方は、理中湯ーー通脈四逆散の間で

適切な処方の投与になります。

 

漢方研究会 コラージュ 代官山 戸田一成

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