コラム

気象病:雨の日頭痛と生理頭痛が辛い

コラム

気象病である雨の前日からの頭痛と

生理の時の頭痛に悩んでいるOさんが

来られました。

Oさんは39歳の女性で主婦です。

このようなケースでの漢方の考え方

についてお話します。

 

気象病・雨の前日からの頭痛は、気圧が下がり

気の流れに異常が起こります。

そして、体内の70%を占める水の流れ

が失調して頭痛となります。

結果、気の流れの異常と水の失調に

対する生薬を組み合わせ処方とします。

具体的にみていきましょう。

気圧の低下により気の流れに異常が

おこります。ここに対応するのが、

桂枝・甘草の組み合わせです。

そして、気の流れの異常が体内の

70%をしめる水に影響を及ぼします。

気圧が下がることにより、体内の水に

どのように影響を及ぼすのか?

体内の水で浮腫みの原因となる

病理的な水を漢方では、「痰飲」と

読んでいます。

「痰」とは、粘稠な水でゼリー状と考えて

ください。

「飲」とは、さらさらの水をイメージして

下さい。

体内では、このように痰である粘稠な水

が気圧が下がることにより、痰から

さらさらの水である飲に溶け出ていきます。

天気が回復して気圧が高くなりますと、

さらさらの水の飲は、ゼリー状の痰に

帰っていきます。

天気が崩れる前、気圧が下がり始めます。

圧力が下がりますので、体内の水は

外に外に向かい始めます。

先ほどの「痰」→「飲」に溶け出て、

頭内にも向かいます。

そして頭内が浮腫んだ状態になり、

気象病である雨の日頭痛が発生するのです。

そこで痰飲の水を減少させる

事によって、頭内の浮腫みは軽減

して雨の日頭痛が起こらなくなるのです。

この痰飲の水を軽減させる薬物が、

蒼朮・茯苓・沢瀉なのです。

先ほどの気の流れの異常を是正する、

桂枝・甘草に痰飲の水を軽減させる

薬物を合わせさらに生姜を加えた

処方が茯苓沢瀉湯になります。

この処方は今から1800年に書かれた

『金匱要略』が出典になります。

「嘔吐噦下痢病篇」に次のように

あります。

「胃反 吐して渇し、水を飲まんと

欲する者は、茯苓沢瀉湯之を主る。」

元々は嘔吐を治療する処方だったのです。

それが現在では、気象病に伴う雨の日頭痛

の治療に応用されるようになりました。

片頭痛が強いと嘔吐を伴う方が多いです。

元々は嘔吐の治療処方だったことから、

片頭痛に伴う嘔吐にも効果があると

思われます。

O さんは、毎日欠かさずに漢方薬を

煎じて四週間服用した頃より、天気が

崩れても頭痛の程度が軽くなってきました。

三ヶ月の服用でほぼ気象病によるの雨の日頭痛は、

気にならなくなりました。

そこで、もう一つの生理時の頭痛に

治療を切り替える事にしました。

 

Oさんの場合は、生理の前になると、

乳の張れが強くなりイライラが出て

来ます。家庭や職場でも影響がでて

しまう程のイライラです。

そして、のぼせも伴います。

漢方では、この状態を気の流れが

滞っていると考えて「気滞」と

定義しています。

高速道路がスムーズに流れていれば

問題はありません。

ところが、流れが停滞してくると、

運転しているお父さんに、イライラ感

がでてきます。そして、横に乗っている

お母さんもイライラが伝染します。

そして、喧嘩に発展します。

イライラ→喧嘩→顔が赤くなる。

このように、気滞が続くとのぼせが

出てくるのです。

そこで、まず気の流れを良くするために

必要な薬物が柴胡と芍薬になります。

そして、のぼせがあります化熱して

いますので、この熱を冷まさないと

いけません。この熱を冷ますのが、

牡丹皮と山梔子になります。

これらを含めましてた処方が、

加味逍遥散になります。

この処方の出典は、『和剤局方』

と言う書籍になります。

和剤局方・婦人諸疾門、逍遙散の

主治に次のようにあります。

「血虚労倦、五心煩熱、肢体疼痛、

頭目昏重、心忪頬赤、口燥咽乾、

発熱盜汗、減食̪嗜臥、及び血熱相搏、

月水不調、臍腹脹痛、寒熱如虐ナルヲ

治ス。又室女血弱、陰虚ニシテ

栄衛和セズ、痰嗽潮熱、肌体羸痩、

骨蒸ト成ルヲ治ス。」

ここの内容は、「月水不調」より

生理が順調でないと、気の流れが

スムーズでは無くなって、

手足が火照ったり、口の中が乾いたり、

発熱となったり寝汗がでますよと。

Oさんの場合、イライラ→のぼせ

これに該当します。

Oさんは加味逍遥散を服用して、

三回目の生理から、イライラが減少

してきました。それに伴い頭痛も

軽減していきました。

都合、六ヶ月の服用でPMSや生理時の

頭痛から解放されたのです。

今回のケースでは、症状の消失と

なりましたが、再発しないように

する事も非常に大切です。

このように、気象病に伴う雨の日頭痛や

生理時頭痛は自律神経のバランスを

取る事が重要な事と分かって

きました。

生活習慣を整えることになりますが、

とりわけ重要な事は、睡眠と運動です。

睡眠は何時間寝れば良いのでは無く、

夜の12時までに眠りに入る事が、

ポイントになります。

そして質の良い睡眠には、日中の

適度な運動がどうしても必要に

なります。

Oさんには、週三回ほど一回40分の

ウオーキングを提案しました。

定期的な運動により、お通じも良くなり、

ぐっすり眠る事ができるようになり、

気象病である雨の日頭痛と生理前の頭痛

から解放されて、体調が良いと報告

がありました。

 

漢方 コラージュ

漢方研究会コラージュ

代官山・東京

 

 

 

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