コラム

気象病:低気圧と雨で、頭痛・嘔吐。

コラム

低気圧と雨で頭痛となり、痛みが強いと嘔吐を伴い、

仕事にも支障をきたしてお困りのPさんが

漢方相談に来られました。

Pさんは38歳の女性で、音大で教員をしています。

一年前より頭痛が強くなると、嘔吐を伴うように

なりました。

低気圧(気圧が下がり)と雨(湿度が上昇)により、

頭痛となり痛みの程度が強いと嘔吐となります。

この流れは、気象病です。

Pさんの場合も、やはり低気圧の影響で気の流れに

異常がおこり、体内の70%を占める水の偏在も

起こります。

漢方で考える気象病の頭痛は、水の偏在が頭内

で起こり頭痛となり、胃内にも水の偏在の影響が

及び嘔吐になります。

また、台風のように短時間で気圧が下がり頭痛の

痛みが強いと嘔吐になりやすいです。

そこで、頭内と胃内の水の偏在を解消する必要が

あります。

今から1800年前に書かれた、『金匱要略』と

いう書籍の「嘔吐噦下痢病篇」に以下の記載が

あります。

「胃反 吐して渇し 水を飲まんと欲する者は

茯苓沢瀉湯之を主る。」とあります。

胃反とは、反復して嘔吐する事です。

そして、嘔吐した後に咽が乾いて水を飲み

たくなる方は、茯苓沢瀉湯がおすすめですよと。

この記載は、気象病において頭痛から嘔吐を

起こしてしまう症例の適応を述べています。

そこでPさんには、茯苓沢瀉湯を服用して

もらいました。煎じ薬の味も問題がなく、

5月頃から毎日欠かさずに服用して頂き

ました。二か月服用した頃より低気圧により

天気が崩れて雨となっても頭痛の程度が軽く、

嘔吐を伴う事もなくなりました。

継続して服用して頂きました。

8月になり台風が来ても軽く頭痛がある程度で

嘔吐はなくなりました。

秋になりほぼ気象病による頭痛から解放

されたようですので、漢方薬の服用を中止

して様子をみて頂きました。

 

年が明けて一月にまた再び強い頭痛から

嘔吐になってしまいました。

気象病の再発です。

所が昨年の夏の台風によって起こる頭痛と嘔吐

とは条件が異なります。

夏の台風や低気圧は、南から雨を伴って湿った

空気とともに関東にやってきます。

今回の一月の頭痛と嘔吐は、北から強力な低気圧が

本州に下がって来る事によって起こった頭痛・嘔吐

なのです。

気象病といっても梅雨~夏にかけて、低気圧と

雨の条件から起こる頭痛と、冬の強力な低気圧に

よって発症する頭痛もあるのです。

ですから患者さんには頭痛日記をつけてもらい、

頭痛の日と過去の天気図をみて確認する必要が

あるのです。

低気圧と言っても夏と冬では異なります。

当然、治療も違ってくるのです。

P さんは、元々冷え性です。そこに真冬の

気温低下と低気圧が重なり発症しています。

ここでの嘔吐は、頭痛からの嘔吐より、

冷えからの嘔吐も考慮しなくてはなりません。

そこでPさんには、冬の低気圧による急激な

気温低下に対応できるように、身体の陽気を

強力にバックアップ出来る四逆湯を選択しました。

四逆湯は、陽気の損傷が激しくそのために起こる、

下痢と嘔吐に対応するものです。

ところがこの四逆湯は陽のみを補います。

そこで、少し長く服用する場合などは、陰も考慮

しなければなりません。四逆湯のように強力に陽

だけを補い続けますと、陰の保証がないため、

まず鼻血が出やすくなったり、その次はのぼせや

ほてりが現れたりします。

そこで強力に陽を補いながら、陰の保証も考慮

しますと、茯苓四逆湯を適方になります。

Pさんには、寒い間茯苓四逆散湯を服用して頂き

ました。継続しての服用により、冬の低気圧と雨

になっても頭痛が起こり難くなり、頭痛が軽いため

嘔吐までは行かなくなりました。

 

このように、低気圧と雨による頭痛・嘔吐

でも、夏と冬では低気圧そのものが異なります。

気候によりどのような低気圧なのか?

そこを見極めて処方をしなければなりません。

漢方 コラージュ

漢方研究会 コラージュ

代官山・東京

 

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